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2023 年度 実施状況報告書

骨膜欠損創の再生における骨髄由来細胞の役割に関するメカニズムの解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K17180
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

越沼 伸也  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10640146)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード骨再生
研究実績の概要

歯肉がんや歯科用インプラントなどの口腔外科手術において発生する骨膜欠損創は、乾燥すると重大な治癒不全を引き起こしやすく、組織再生を含めた画期的な治療法の開発が望まれている。前任者の研究により、ゼラチンスポンジを骨膜欠損創部に留置すると良好な治癒を得られることが明らかになった。そのため、ゼラチンスポンジによりどのように骨膜欠損創部が治癒するのか、骨髄由来細胞の動態に関連させて明らかにするために本研究を実行した。
SDラットに致死量の放射線を照射し、GFPラットから採取した骨髄細胞を移植した。これにより骨髄由来細胞のみGFPで標識されるGFP-BMTラットを作製した。
GFP-BMTラット頭頂部に皮膚と骨膜の両者を欠損した10 mm四方の創部を形成し、同部にゼラチンスポンジを留置した。その後、2週、4週、6週でGFP-BMTラットをサクリファイスし、創部を免疫組織学的に解析した。
その結果、血管、骨膜を標識することができるa-SMAを用いた免疫染色では、血管や骨膜の細胞にGFP陽性細胞を認めた。毛包を標識することができるLgr-5を用いた免疫染色では毛包や毛髪にGFP陽性細胞を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

血管、骨膜を標識することができるa-SMAを用いた免疫染色では、血管や骨膜の細胞にGFP陽性細胞を認めた。毛包を標識することができるLgr-5を用いた免疫染色では毛包や毛髪にGFP陽性細胞を認めた(図2)。骨髄由来細胞がそれらの組織の再生に関与していることが明らかとなった。GSは骨髄由来細胞の遊走を助ける足場となり、組織再生を促す可能性が示唆された。

今後の研究の推進方策

良好な治癒を得られる一方でGSは力学的強度が低く、周囲組織と縫合固定することができない。骨面や周囲組織との接着は血液凝固を介したものであり、脱落の可能性が高いなど、不安定な要素も多い。安定した治療のためには、より優れた材料を模索する必要がある。
現在PLLAファイバースキャホールドを用いた新たな材料を用いて実験を行う準備を進めている。

次年度使用額が生じた理由

現在PLLAファイバースキャホールドを用いた新たな材料を用いて実験を行う準備を進めており、使用が来年度から使用実施可能であるため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The use of gelatin sponge provides microenviroments suitable for vascular niche formation by bone marrow-derived cells necessary for heterogeneous tissue regeneration in deep wounds with periosteal defect.2023

    • 著者名/発表者名
      Shirai Y, Okano J, Nakagawa T, Katagi M, Nakae Y, Arakawa A, Asada Y Koshinuma S & Kojima H
    • 学会等名
      The International Conference on Oral and Maxillofacial Surgery2023
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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