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2022 年度 実施状況報告書

小児における歯科用CBCT被ばく線量低減にむけた検討ー安全で有益な検査を目指すー

研究課題

研究課題/領域番号 22K17190
研究機関明海大学

研究代表者

井澤 真希  明海大学, 歯学部, 助教 (50735818)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード歯科用コーンビームCT / 線量測定 / 撮影領域 / 小児 / ファントム
研究実績の概要

本研究では,ディテクターの拡大化が進んでいる歯科用CBCTについて,小児の人体評価ファントムを利用して臓器組織線量を測定評価することで,歯科用CBCTにおける小児の被ばく線量を明らかにし,その実測値を基に小児患者の為の歯科用CBCTでの撮影プロトコルについて検討・最適化を行うことを目的とする.2022年度は歯科用CBCTの機種更新に伴い,撮影装置の基本性能調査および使用する撮影条件を決定するために出力特性や照射条件についての基礎研究およびファントム内組織分布の解析を行った.
本学所有の歯科用CBCT装置3D Accuitomo F17D+,半導体線量計,面積線量計を使用して,装置の出力特性(管電圧,半価層,照射時間,センサー上空気カーマおよび空気カーマ率,パルス数)および面積線量を測定,各撮影条件・照射野における照射線量について比較・検討を行った.センサー上の空気カーマはmAs値に対して比例しており,回転中心における空気カーマは90 kV, 5 mA, 17.5 sのStandard撮影条件で19.0±0.2 mGy,撮影時間を変更したHigh speed撮影条件でStandard撮影条件×0.60 mGy,High resolution撮影条件でStandard撮影条件×1.76 mGyであることが明らかになった.面積線量はDRLs2020と比較して照射野10cm×10cm以下では低い値を示したが,照射野14cm×10cmでは同等の値を示す結果となった.小児患者撮影の際は,照射野および照射時間の選択がより重要であり,解析した結果を基に基準撮影条件を決定した.また,小児頭頚部ファントム内に光刺激ルミネセンス線量計の位置設定の為,ファントム内の組織分布を解析,線量計埋入の為の加工作業を行い,臓器組織線量の計測準備を進めている状況にある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度は撮影装置の更新に伴い,撮影装置の出力特性や撮影条件など臓器組織線量を計測するにあたり基本性能について調査・最検討を行う必要性があった.装置の更新に伴い照射記録法も更新された為,並行して照射記録の解析を行い,現在論文作成中である.また当初購入を予定していた小児ファントムが購入困難となり,代替ファントムの選定し直さなければならなかった.現時点で年齢は異なるものの計測用小児ファントムは入手しており,臓器組織線量の測定を行うための計測準備を進めている状況にある.したがって,当初の研究計画より若干の遅れがあるが,2023年度での研究計画を遂行できると考える.

今後の研究の推進方策

2023年度の実験計画では入手した小児ファントムを用いた臓器組織線量の測定・解析である.ファントム内の設定した部位に光刺激ルミネセンス線量計を埋入し,各照射野および撮影条件における臓器組織線量の計測を行い,計測結果の解析・検討を行う.現在,ファントム内線量測定を行うための計画準備を進めており,予定する実験計画を推進できると考えている.併せて,2022年度に行った撮影装置と照射条件の基礎研究の論文投稿をすすめていく.

次年度使用額が生じた理由

撮影装置の更新に伴い,予定していた実験計画が遅れてしまったことに加えて,当初購入を予定していた小児ファントムが購入困難となり,代替ファントムの選定し直さなければならなかった.ファントムの選定と線量を測定する為の加工等に変更が生じた為,2022年度に購入予定をしていた臓器組織線量測定システム導入を再検討した結果,予定していた費用を執行できず,次年度繰り越しとなった.現在,入手したファントム内の解析を進めており,繰り越し費と合わせた予算で臓器組織線量測定システムの導入する予定である.

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公開日: 2023-12-25  

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