研究課題
若手研究
本研究では、TNF-αによる破骨細胞分化におけるSET7/9の役割と分子機構を明らかにすることを目的として解析を行った。その結果、TNF-αにより亢進する破骨細胞前駆細胞上のRANK発現にNF-κBおよびSET7/9が関与することが明らかになった。また、NF-κBとSET7/9は、TNF-α、RANKLの相乗作用による破骨細胞形成に関与していることが示唆された。さらに、SET7/9はNF-κBのサブユニットであるp65と相互作用し、TNF-αによりその複合体は核内に移行する可能性が示唆された。
矯正歯科
国内外の破骨細胞形成のエピジェネティクス制御に関する研究は未だ少なく、特にTNF-αが関与する破骨細胞形成に対するヒストン修飾酵素の影響についての報告は皆無である。本研究において、ヒストン修飾酵素SET7/9は破骨細胞前駆細胞に発現し、NF-κBと相互作用し、TNF-αで亢進するRANK発現に影響していることが推測された。病的骨疾患に対するヒストン修飾酵素阻害薬としてSET7/9が重要なターゲットとなる可能性がある。