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2022 年度 実施状況報告書

乳歯歯髄幹細胞培養上清・エクソソームの骨誘導機序の解明と口蓋裂骨再生治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K17229
研究機関広島大学

研究代表者

平木 智香  広島大学, 医系科学研究科(歯), 研究員 (70881275)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードSHED / エクソソーム / 培養上清 / 間葉系幹細胞 / 骨再生 / 口蓋裂
研究実績の概要

本研究では、乳歯歯髄由来間葉系幹細胞培養上清(SHED-CM)に含まれる骨再生に有用な液性因子および細胞外の小胞エクソソーム (SHED-EXs)を解明するとともに、SHED-CM を応用した新規の顎裂部骨再生治療法の確立を目指すことを目的とする。
これまでに、SHED-CMが骨欠損部の骨再生能を有していることを解明し、SHED-CMに含まれるタンパク質の定量解析を行なった。
2022年度には、ヒト由来血管内皮細胞株 (HUVEC)、マウス頭蓋冠由来骨芽細胞株 (MC3T3-E1)、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBMSCs)を用いた。各細胞を培養し、SHED-CMを添加し、細胞増殖能、骨代謝因子および血管新生マーカーの発現について検証を重ねた。各細胞にSHED-CMを添加して培養し、細胞増殖能について検証を行なった結果、SHED-CM群で有意に細胞増殖が認められた。hBMSCs にSHED-CMを添加した結果、VEGF、Ang1、Ang2、HGF、ALP、Runx2、OCNの遺伝子発現は有意に亢進された。MC3T3-E1においても同様に、ALP、Runx2、OCNの遺伝子発現に有意な亢進が認められた。また、SHED-CMに含まれるタンパク質の定量解析の結果解明された液性因子について、抗中和抗体を添加し、細胞増殖能および骨形成能を検証することで、SHED-CM中の骨再生に有効な上清成分の液性因子について検証を行なった。さらに、これらの研究結果について論文の投稿を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HUVEC、MC3T3-E1、hBMSCs に、SHED-CMを添加し、細胞増殖能、骨代謝因子および血管新生マーカーの発現について、定量PCRおよび定量western blot 解析を行った。SHED-CM中の骨再生に有効な上清成分の液性因子について検証を行なうため、SHED-CMに含まれるタンパク質の定量解析の結果解明された液性因子に対して抗中和抗体を添加し、細胞増殖能および骨形成能について検証を行なった。これらの研究結果について論文の投稿を行うことができた。以上より、概ね実験計画の通りに検討が進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は、さらなる検証を重ねるとともに、骨再生に有効な上清成分の液性因子について検証を行なうため、各MSC-CMおよびSHED-CM 内に含まれる SHED-CM のエクソソーム (SHED-EXs) が骨再生および血管新生に与える影響について検証を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

消耗品費用が予定より少ない金額で済んだため使用額に差額が生じた。
また、新型コロナウィルスの影響により、学会参加が中止となったため旅費の使用額が少なくなった。
差額は、次年度に行う実験に必要な細胞、試薬などの消耗品の購入費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Effects of Human Deciduous Dental Pulp-Derived Mesenchymal Stem Cell-Derived Conditioned Medium on the Metabolism of HUVECs, Osteoblasts, and BMSCs2022

    • 著者名/発表者名
      Ryo Kunimatsu, Tomoka Hiraki, Kodai Rikitake, Kengo Nakajima, Nurul Aisyah Rizky Putranti, Takaharu Abe, Kazuyo Ando, Ayaka Nakatani, Shuzo Sakata, Kotaro Tanimoto
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 11 ページ: 3222

    • DOI

      10.3390/cells11203222

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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