研究課題/領域番号 |
22K17236
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
榊原 さや夏 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90795212)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | MTA / REPs / パルプリバスクラリゼーション / 幼若永久歯 |
研究実績の概要 |
永久歯が完全に完成していない時期の深い虫歯や、外傷による脱臼歯や破折歯の対応として、歯の神経を全部とる方法と一部感染した神経をとる方法とがある。歯の神経や血管には歯を作る細胞も含まれており、それらを除去してしまうと栄養供給が途絶えてしまうため、その後の歯の成長が見込まれないことや歯の根自体が薄く短いままとなり、割れたり折れたりする原因となることから、将来的にその歯は抜く必要がでてくる。 近年、歯の神経をとった歯の内部(神経や血管があった部分)に自身の血液を満たすことで、様々な細胞が入り込み歯の根の厚みや長さが増す方法が構築された(REPs)。しかし成功率はまだ安定しておらず、そのセメントの効果や血液や細胞成分による効果などが明確にわかっていない。そこで本研究は、神経や血管を除去した歯において、歯の根の厚みや長さを増すセメントを作ることで処置の成功率をあげ、自身の歯を長く残すための材料を開発することを目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
REPs(パルプリバスクラリゼーション)の評価として、臨床的に長期的な経過をみていく必要があり、学会での発表をおこなった。その際は、以前に自身が開発に関与したMTA(TMR-MTA cement ミエール)を使用した。 現在、ラットおよびマウスを使用した動物実験における手技の確認、および成功率の向上を目的として既存のセメントにて研究を進めている。 セメントは成分濃度に関して、物性や毒性評価を行い今後決定していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験の成功率を上げていく必要がある。人間の歯より小さな動物な歯を使用しているため、セメントの脱離や過剰な切削、麻酔管理などが難しい。セメントの効果やREPs成果を正確に判断するためにも、手技によるエラーや差が生じないようにするための練習を行う必要がある。 細胞培養による評価も継続して行い、セメントの成分比を決定する。 また同時に、REPsは保険導入されている治療法ではないものの、以前より行われているアペキシフィケーション等より自身の歯を長く残すことができる方法の一つとして注目されているため、MTAによるその臨床的成果を分析していくことも必要と考えられる。
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