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2022 年度 実施状況報告書

エナメル形成におけるライオニゼーションの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K17249
研究機関新潟大学

研究代表者

工藤 武久  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70909770)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードライオニゼーション / エナメル形成
研究実績の概要

ヒトを含む哺乳類の性別は、性染色体で決定されている(男性-XY、女性-XX)。男性はX染色体を1つしか持たないが、女性はX染色体を2つ保有する。一つは父親から、一つは母親からである。転写因子は両方の染色体に結合可能なため、そのままでは女性の細胞では、X染色体由来タンバク質が男性の2倍となり、細胞にとって致死的状況となる。しかし、女性の細胞は、ある段階で父親、母親いずれかのX染色体のみを転写することを決定し、それ以降、生涯にわたり、決めたX染色体だけを転写の対象とし、もう一方のX染色体を不活性化の状態にしておくことで、タンパクが2倍になることを回避している。ライオニゼーション(X染色の不活性化)と呼ばれるシステムである。哺乳類のメスの全ての細胞で惹起されているシステムである。父性X染色体か、母性X染色体か、の選択は細胞によって異なるものの、一度決定したら、その細胞から分裂する細胞は、生涯同じ染色体を不活性化するる。つまり、女性の体には、父性染色体を選択した細胞と、母性染色体を選択した細胞の2種類が存在することになる。X染色上にはエナメル形成に関与する分子が存在するが、エナメル形成におけるライオニゼーションはこれまで検索されていない。近年、各細胞が、父性、母性のいずれのX染色体を選択したかを、Cre-LoxPシステムによってGfpの発現で確認できるマウス(Hprtマウス)が開発された。本申請は、Hprtマウスを用いて、エナメル形成における、それらライオニゼーションの詳細を把握することを目的とする。上皮でのライオニゼーションを理解するために、HprtマウスとKeratin(K)14Creマウスを交配して、Hprt;K14Creマウスを作成した。胎仔の組織切片でGfpの免疫染色を施し、歯胚、頭部表皮、毛包でGfp陽性細胞とGfp陰性細胞の両方が存在することが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

母親マウスの育児放棄により予定したHprt;K14Creマウスを獲得できなかった。

今後の研究の推進方策

代理母親マウスを作成し使用することで、ある程度のHprt;K14Creマウスが確保できた。Gfp陽性細胞の更なる解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

必要なマウスの獲得に時間を要した関係で、使用できなかった消耗品が生じた。また、世界的な物資不足の影響で納品が遅れ、使用できなかった消耗品が生じた。次年度は、前述した推進方策にしたがい、必要な実験動物、試薬等の消耗品類を購入する。また、国内外の学会における成果発表の旅費に充てる。

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公開日: 2023-12-25  

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