研究課題/領域番号 |
22K17287
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松本 明日香 新潟大学, 医歯学総合研究科, 助教 (50909603)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯科口腔保健 / 口腔保健行動 / 実行機能 / 知的障害者 / 障害福祉施設 / 歯磨き指導 |
研究実績の概要 |
本研究は、障害福祉施設に通所する知的障害者を対象に、先行研究において実行機能の点から評価し明らかにした歯磨き行動における弱さを補う支援を実施し、口腔衛生状態を改善することを目的としている。2022度の進行状況は以下の通りである。 障害福祉施設1施設6名を対象として、実行機能の弱さを補うための視覚支援媒体を用いた歯科衛生士による歯磨き指導を実施し、指導前後の口腔衛生状態をOHI のDebris Score(DS)を用いて評価した。また、指導の際に歯科衛生士が実施した支援内容を段階別の支援量で評価し、指導初回と最終回で比較した。 その結果、指導終了後に実施した視覚支援媒体提示下での歯磨き評価時には、指導開始前の歯磨き時と比較して、DSが有意に減少した(p < 0.05)。歯磨き支援量は、指導初回と比較して最終回で有意に減少した(p < 0.05)。これらの結果から、視覚支援媒体を用いた歯科衛生士による歯磨き指導は、対象者に歯列全体をまんべんなく磨く歯磨き行動の生起を促すことで歯磨き効果の向上に寄与し、口腔衛生状態の改善につながることが示唆された。また、指導開始前の視覚支援媒体提示下での歯磨き時のDSは、指導開始前の視覚支援媒体提示なしの歯磨き時と比較して差がみられなかった。この結果から、指導を実施しない視覚支援媒体提示のみでは口腔衛生状態の改善は困難であり、視覚支援媒体の活用に加えて歯科衛生士等の歯科専門職による直接支援の必要性が示唆された。 今後、対象施設を拡大し、実行機能の弱さを補う歯磨き指導の効果について評価を進めるとともに、学会発表と論文投稿の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による影響により、福祉施設との連携に支障が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
歯磨き支援とその評価に参加した知的障害者数は6名にとどまったため、次年度は参加者増を目指し、協力可能な福祉施設の拡大に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、障害福祉施設における参加者の募集や介入研究の実施に制限を受け、次年度使用額が生じた。今年度は介入研究の拡大と、研究成果発表のため学会発表や論文投稿のために使用する予定である。
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