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2022 年度 実施状況報告書

歯科治療により発生するエアロゾル中のSARS-CoV-2の検出と臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 22K17291
研究機関獨協医科大学

研究代表者

大谷 紗織  獨協医科大学, 医学部, 助教 (80851063)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードCOVID-19 / SARS-CoV-2 / RT-qPCR / エアロゾル / 唾液 / 歯科治療
研究実績の概要

COVID-19の感染拡大初期において,歯科は感染の最高リスク職種として分類されていたが,歯科治療を契機としたクラスターの発生報告は乏しく,歯科医療従事者における抗体陽性者は一般の既感染者と比較しても多くはなかった.歯科治療の際は,元来,接触感染・飛沫感染予防としてのスタンダードプリコーションを施行しており,それがSARS-CoV-2に対しても有効である可能性が示唆された.
COVID-19患者の口腔ケアを含む歯科治療の際に,患者の唾液および飛散するエアロゾルを採取し,RT-qPCR法によるウイルス量の実態を知ることは,今後の感染対策を考慮するうえで重要であると考えた.
上記の仮説を検討するため,獨協医科大学病院においてCOVID-19の診断下に入院療養中の患者のうちで,口腔ケアあるいは歯科治療が必要な患者のうち,本研究への参加について本人または代諾者から文書または口頭による同意を得られた対象者の通常の診療に従い口腔内の診察を行い,緊急での歯科治療の必要な部位がない場合,歯科医師による専門的口腔ケアを行った.口腔ケアの際,患者の口元から直線距離20cmの範囲にゼラチンフィルターを装着した口腔外バキュームを設置し,エアロゾルを採取し,同時に唾液も採取した.採取した検体に対し,TAKARA SARS-CoV-2 Direct R Detection RT-qPCR Kit R を使用し,SARS-CoV-2ウイルスの検出を行った.唾液およびエアロゾル検体は生理食塩水を加え,ボルテックス,遠心操作の後,この懸濁液を検体として使用説明書に従いSARS-CoV-2の検出を行った.
研究対象者の検体のRT-qPCRの結果を比較検討している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

COVID-19患者の減少に伴い,研究対象者の確保が困難となり,追加の検体採取が困難となった.
そのため,現在採取している検体の分析を進めている.
具体的には,研究対象者から採取した唾液サンプル,エアロゾルサンプルをそれぞれ遠心分離し,上清よりRNAを直接抽出した.抽出したRNAを逆転写し,リアルタイムPCR法によって各サンプルのN1/N2領域のCt値を求めた.その後,標準サンプルを元にし,コピー数の計算を行った.

今後の研究の推進方策

上記の結果を踏まえ,抗体検査の結果とウイルスの測定の結果をまとめて論文発表を予定している.
この研究に関連し,事前に歯科医療従事者および歯科医療施設における感染予防策に対するアンケート調査も行っており,その集計についても行っていく予定である.
また,各国でのコロナ対策や,歯科での対応状況についても可能な限り調査を進める予定である.
パンデミックは収束しつつあるものの,結果として歯科医療のなかでどのような影響があったのかを分析していきたいと考えている.

次年度使用額が生じた理由

我が国において,パンデミックが収束に伴い,研究対象者が不在となったため,新たな検体の採取が困難となった.
現在,採取済みの検体に関し,上記の通り分析を進めており,本研究テーマに関して執筆中の論文がある.
その論文の投稿前の英文校正および採択後の投稿費用に充てるため,予算を確保している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 歯科治療時に発生するエアロゾル中のSARS-CoV-2検出と臨床的意義2022

    • 著者名/発表者名
      大谷紗織 他
    • 学会等名
      第19回 日本口腔ケア学会 総会・学術大会
  • [学会発表] SARS-CoV2パンデミック下の歯科治療時の感染リスク2022

    • 著者名/発表者名
      小宮山雄介 他
    • 学会等名
      第67回 (公社)日本口腔外科学会 総会・学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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