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2023 年度 実施状況報告書

歯科治療により発生するエアロゾル中のSARS-CoV-2の検出と臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 22K17291
研究機関獨協医科大学

研究代表者

大谷 紗織  獨協医科大学, 医学部, 非常勤助教 (80851063)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードCOVID-19 / SArS-CoV2 / RT-qPCR / 唾液 / エアロゾル / 歯科治療
研究実績の概要

歯科医寮機関における日常診療での接触感染防御に重要なグローブ,アイシールドなどの使用や口腔外バキュームの使用など,感染対策の調査を行なった.その結果,グローブの使用率は92.4%,アイシールドの使用87.4%,口腔外バキュームの使用は68.3%であり,多くの施設で適切な標準予防策が実施されていることがわかった.
COVID-19患者の口腔ケアを含む歯科治療の際に患者の唾液および飛散するエアロゾルを採取し,RT-qPCR法によるウイルス由来RNAを検出することで,患者の唾液中および患者歯科治療中に発生するエアロゾル中のSARS-CoV2ウイルス量を検出した.エアロゾルについては,口腔外バキュームを使用し,吸引口に濾紙を設置することで,吸引したエアロゾル中のウイルスを検出することに成功した.COVID-19発症者の口腔内唾液では,鼻腔咽頭粘膜のスワブ検査と同様にウイルスを検出することができた.エアロゾル中においても,唾液そのものと比較すると少ない量ではあるが,ウイルスが検出される例を認めた.検出したウイルス量を元に,唾液1mLあたりのウイルス量と,15分間の歯科治療中のエアロゾル中のウイルス量をコピー数を計算することで推定した.先行研究において,実際の感染粒子は飛散するSARS-CoV2のうち100-1000コピーに1コピー程度であることが報告されている.これを踏まえると,COVID-19感染患者であっても,歯科治療中のウイルス飛散量自体は感染が成立するコピー数よりもはるかに低い量の感染粒子が飛散していると推定される.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在,全ての解析を終えておりデータの取りまとめを行なっている.研究成果は,論文発表を予定しており,現在投稿準備中である.

今後の研究の推進方策

研究成果を論文発表すべく,投稿準備中である.
一方で,患者の鼻腔咽頭粘膜スワブでのウイルス検出量と唾液中のウイルス検出量の比較などは行なっていない.研究計画当初は解析を予定していなかったが,発症日からの倦怠採取日数などと合わせて参考までに解析を進め,個々の症例の中で,どの程度の時期で観察を行なったのかについて検証を進めたい.

次年度使用額が生じた理由

我が国においてCOVID-19パンデミックの収束とともに検体採取が可能となる機会が減少した.
そのため当初予定よりも研究に要する費用が減少したと考えている.
今後,論文発表のために校正・投稿費用が必要となるため,次年度使用額を充当する計画である.

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公開日: 2024-12-25  

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