研究課題/領域番号 |
22K17299
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
金 雪瑩 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (00832148)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ケアの質の評価 / 在宅移行期ケア / ヘルスサービスリサーチ / 介護保険制度 |
研究実績の概要 |
自宅と病院の中間施設として位置づけられた介護老人保健施設では、退所者の3人に1人が自宅に戻ると報告されている。ケアの提供体制が変わる在宅移行期は、身体機能の低下などリスクが高まり、注意が必要な時期である。日本では、介護保険制度創設時から移行期ケアの質を確保するため、退所時情報提供加算、連携加算、訪問指導加算などを算定できる仕組みを構築した。しかし、介護施設における在宅移行期ケアの効果を示すエビデンスは皆無に近い。本研究の目的は、介護老人保健施設における在宅移行期ケアの利用実態を把握し、高い在宅移行期ケアの質に関連する施設特徴を明らかにすることである。本研究で用いるデータは、自治体の医療介護レセプトと施設特徴を含まれる介護サービス情報公表システムのデータである。今年度は、介護サービス情報公表システムに公表されている老人保健施設の加算情報や人員配置の情報の収集を完了した。また、本研究で応用できるケアの質に関連する地域特徴を検証した論文を執筆し、BMC Public Healthに出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、自治体の医療・介護レセプトに加え、老人保健施設の特徴が含まれる介護サービス情報公表システムのデータを突合して分析を行う予定である。介護サービス情報公表システムのデータは、2022年8月から9月にかけて収集を完了した。しかし、自治体のデータは2022年度受領予定であったが、自治体との契約が遅くなり、2023年5月に受領見込みである。研究代表者はすでにレセプトデータの構造や変数について把握しており、データが届き次第分析できる体制を整っている。
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今後の研究の推進方策 |
自治体のデータがないため、予定通りの分析ができなかった。その代わりにすでに公表されている介護保険事業状況報告のデータを用いて、ケアの質につながる地域特徴を検証した。自治体にすでにデータ依頼状を提出済であり、2023年5月にデータ受領でき次第、データ分析を加速化する予定である。今年度中、分析結果に基づいて、執筆を行い、国際雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に、自治体の医療・介護レセプトを分析するハイスペックパソコンを購入する予定であった。しかし、データの受領時期が遅れてしまい、2023年度に受領することになった。データの容量に合わせたパソコンのスペックを特定できるのは、データ受領後の2023年度になってしまい、2023年度に購入する予定である。
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