研究課題/領域番号 |
22K17305
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
兵頭 勇己 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (50821964)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Transformerモデル / オーダ情報系列生成 / オーダ誤発行抑止システム |
研究実績の概要 |
患者間違いに伴うオーダ誤発行を検知するためのシステム開発のため、その基盤となる「オーダ発行異常検知」モデルの構築を行うことが本研究の大きな目的である。 具体的には、多様な患者背景に対応できる汎用的な検査オーダモデルを構築することを目標にしている。構築方法は文章生成モデルの一種である、Transformerモデルを転用し、オーダの系列パターンを生成する。本年度は、解析対象を血液検査オーダに限定し、Transformerモデルがオーダの系列生成タスクに利用できるか、検証を行う予定であった。今年度の進捗として、実際にモデルのプロトタイプを作成することができた。具体的には、患者基本情報、DPC病名、輸血有無、手術情報から入院時から退院時までの検体検査オーダ情報について、Transformerモデルを用いた生成モデルを構築した。各種オーダ情報を文章変換するうために、各オーダをカテゴリカルデータ化し、それぞれ一意の2byte文字を対応させ、1入院における1日単位の各情報を「/」で連結、かつt日目とt+1日目の情報を「_」で連結し退院を「.」で表現した1つの文章に変換するという工夫を施した。また、自然減言語処理に必須であるトークン化については、既存のトークンを利用することができないため、あらたにSentencepieseを用いてサブワードトークンの学習を行った。しかしながら、既存の機械学習手法を利用したモデルと精度上は変わらなかったため、さらなる精度向上にむけたモデルの改良が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
想定通り生成モデルのプロトタイプを構築することができた。今後は精度向上ならびに適切にオーダ誤発行を識別可能か、検証が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
既存の機械学習手法を利用したモデルと精度上は変わらなかったため、さらなる精度向上にむけたモデルの改良が必要である。具体的には、オーダ順序を識別するための符号(数値など)を含めた学習データを再度作成し、モデルを再学習させる案を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析システム構築のための機器調達の遅れや機材高騰による候補機器の再選定の理由により、一部経費については次年度繰越となった。
今年度は現在発注している物品、具体的にはGraphics Processing Unitの購入費を中心に使用する予定である。また、本研究の目標である予測モデルのプロトタイプを構築することができたため、学会発表ならびに進捗次第では論文投稿も先行して実施することを計画しており、国内学会発表に関する旅費および論文投稿関連費用に使用する予定である。
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