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2022 年度 実施状況報告書

都市構造の変化が結核罹患構造へおよぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K17318
研究機関地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

研究代表者

山本 香織  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (70649011)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード結核 / 感染伝播 / 遺伝子型別 / クラスター
研究実績の概要

地域内の感染伝播を検証するためのゲノム解析対象サンプルセットを抽出する方法として、遺伝子型別によるスクリーニングを行うが、その際のクラスター定義を検討するために以下の分析を行った。
結核分子疫学調査における遺伝子型別法はJATA12領域のVNTR型別が主流である。一方、サーベイランス調査ではJATA12領域に追加領域を加え、菌株識別能を高める必要がある。現状では菌株間のVNTR型の1領域違いを遺伝子型一致とするか、明確な判定基準は無い。2012-20年の大阪市新登録結核患者由来の結核菌505株について24領域のVNTR型別を行い、23領域が一致した菌株群(23領域クラスター)内で、不一致となった領域の分布を検討した。結果、199株が70パターンの23領域クラスターを形成した。23領域クラスター内で不一致であった領域は、多様度が高いとされているVNTR3820(14.3%)、QUB-3232(10.0%)、VNTR4120(8.6%)、QUB-26(8.6%)の順に多く、多様度が低いとされているMIRU40(7.1%)が続いた。23領域クラスターにおける、不一致領域の違いが菌株の異同判定の参考情報となり得るか、ゲノム解析での検証が必要であることを確認した。本研究では対象とする菌株が多く、ゲノム解析対象株のサンプルセットを選出するための検討を引き続き行う。
また、本研究対象となる2017年から2021年までに大阪市の新登録結核患者から分離された結核菌2,316株について、遺伝子型別(VNTR法)を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の予定として、研究対象となる結核菌株の収集およびVNTR型別の実施、疫学情報の収集についてほぼ予定の通り進めている。

今後の研究の推進方策

令和5年度は令和2年度国勢調査の結果による社会地区類型の構築を行い、10年前(平成22年度)の国勢調査の結果から構築した社会地区類型からの地域構成の変化について検証する。併せて、対象株の24領域VNTR型別結果から、VNTRパターンが一致したサンプルセットについてゲノム解析を行い、結核の地域内における感染伝播について検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由:ゲノム解析用のキット購入を予定していたが、使用期限の関係から発注を見合わせたため。
R5年度の使用計画:物品費として空間解析のためのソフトウェアの更新、ゲノム解析用試薬類を予定している。旅費として学会参加費、その他に論文投稿費と英文校正費の支出を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 24領域のVNTR 型別における1領域違いの検討2022

    • 著者名/発表者名
      山本香織、橋本美穂、蒲田脩圭里、米田佳美、永石真知子、吉田英樹、小向 潤、松本健二、和田崇之
    • 学会等名
      第97回日本日本結核・非結核性抗酸菌症学会学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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