研究課題/領域番号 |
22K17320
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐方 信夫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60756188)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 在宅医療 / レセプトデータベース |
研究実績の概要 |
本研究では、在宅医療に関して医療・介護統合データベースを用いて、 ①多様な在宅療養者を類型化すること、②特定された類型別に、機械学習アルゴリズムによりアウトカム(自宅療養継続など)を予測するモデルを構築すること、 を目的としている。 まずは、自治体の医療介護連結データを用いて、在宅医療を受けている患者の抽出を行った。自治体データにおいて、在宅時医学総合管理料の算定のあった2583人(単年度)のうち、個人の居宅の者が942名、グループホーム469名、特定施設578名、その他施設594名であった(施設については、医療レセの施設総管と在医総管で区別した上で、介護レセデータから施設種別を出している)。この中で、特定施設に入居していて在宅医療をうけている者は、要支援1から要介護1までの間に属する者が3割近く占めており、個人の居宅で同区分のものは2割に満たないことから、施設では軽症のものが多く在宅医療を受けている可能性が示唆された。これは施設運営上、全入居者に在宅医療の契約を結ばせているところがあるためと推察され、今後の分析において、居住場所での患者像の違いに留意しながら分析を行う必要があることが分かった。 また患者の診療については、約4割が機能強化型在支診で診察しており、約4割が(機能強化でない)在支診、5%未満が一般診療所であった。機能強化型であるほど、往診の回数が多くなっており、患者の状態だけでなく、施設属性も往診回数に関連するため、アウトカム評価の際には注意が必要と考えられた。今後、患者の要介護度や基礎疾患の情報などを変数として投入して、その推移を類型化するための分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で使用予定のNDB・介護DB連結データは、所属研究室で利用申請しており、審査で承認はうけたものの、厚生労働省とデータ細部の調整に時間を要しており、いまだ提供されていない。このため、自治体データを利用してプレ分析を行っているが、サンプル数が少なく、データの保持している情報も予定しているデータと異なる部分があるため、分析プロセスの一部で実施できない部分がある。
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今後の研究の推進方策 |
既に保有している自治体データを用いて、事前に在宅医療の患者像を明らかにするための予備解析を行い、類型化するための変数選択をどのように行うか検討する。データが到着したらすみやかにデータクリーニングを行い、データの記述を行う。その上で、投入する変数の情報を整理し、アウトカムを決定して、類型化のための機械学習アルゴリズムの検討に入る。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用予定の研究データ到着せず、現時点で予備的分析にとどまっているため、解析に係る委託費などの一部を使用しなかったため差異が生じている。次年度は、到着したデータの解析の委託費や学会出席などで研究費を要する見込みである。
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