研究課題/領域番号 |
22K17363
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横内 陳正 東京大学, 社会科学研究所, 助教 (70845875)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 従業員 / インクルージョン / キャリア / 職業性ストレス / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,職場のインクルージョンが従業員の主観的キャリアの形成を媒介して精神的健康に及ぼす影響を,3時点の縦断調査と分析(パネル調査と分析)により明らかにすることである。 令和4年度は,当初の研究実施計画に基づき,職場のインクルージョン尺度の日本語版の開発を目的として,信頼性と妥当性が既に確認されている英語版のオリジナル尺度を日本語に翻訳し,その信頼性と妥当性を検証した。 具体的には,まず,オリジナル尺度の日本語版を作成するべく,数名の研究者の協力を得て,順翻訳,逆翻訳,レビューを行った。さらに,若干名の従業員を対象とした認知デブリーフィングを通じて,日本語版尺度の了解可能性やオリジナル尺度との間の認知的等価性を確認した。その後,日本語版尺度を含む調査票を用いて,国内の民間企業における従業員1270名を対象とした調査を実施した(東京大学社会科学研究所研究倫理審査委員会,No.81)。回収された調査票のうち,974名分のデータを用いて,古典的テスト理論,および項目反応理論に基づく評価を行ったところ,日本語版尺度の信頼性と妥当性が確認された。また,これらの成果を取りまとめ,第38回日本ストレス学会・学術総会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は,当初の研究実施計画の通りに職場のインクルージョン尺度の日本語版の作成を完了できているため,おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,2時点の縦断データを用いて,職場のインクルージョンが主観的キャリアの形成,および精神的健康に与える影響を明らかにすることを目的とする。そのため,令和4年度のWave 1調査の回答者を対象に(脱落した回答者を除く),同様の調査票を用いたWave 2調査を実施し,2時点の縦断データを用いた分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは,計画していた物品(学術書等の設備備品や印刷紙等の消耗品)の購入を後ろ倒しにしたことなどに由来する。令和5年度は,当初の使用計画に加えて,令和4年度に予定していた物品の購入なども行う予定である。
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