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2023 年度 実施状況報告書

時系列解析を応用した糖尿病と合併症の発症までの健康余命算出ツール開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K17370
研究機関大阪大学

研究代表者

坂庭 嶺人  大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (20915649)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード健康寿命 / 平均寿命 / 時系列解析
研究実績の概要

2023年度は①具体的な疾病罹患時期推定アルゴリズムの開発と妥当性検証、②自治体から提出された複数のデータセット統合と妥当性検証、③統合されたデータセットと作成したアルゴリズムを用いて、具体的な疾病罹患までの余命を算出した。
推定アルゴリズムの開発については、それぞれ独立して構築された科学的エビデンスのある手法を新たなアルゴリズムとして統合可能であるか?、さらに開発した場合十分に社会実装を見越しての応用が可能であるかの検証が主な課題であった。しかし、複数の視点からの検証の結果、一定の統計学的確からしさをもって実施可能と判断したことから、開発を進めた。次に、複数のデータセット統合の可能性を検証した。こちらについては同年代かつ同地域の日本人集団であることから、統合に大きな支障は生まれず統合可能であると判断した。
最後に、本研究で開発されたアルゴリズムを作成したデータセットに当てはめて、具体的な疾病罹患までの推定期間の算出と、あらかじめ用意しておいた妥当性検証データを用いて、推定疾病期間までの予測と実際の数値との妥当性検証を実施した。本研究で開発されたアルゴリズムの1つは現在特許出願中であり、研究成果の社会への還元が期待される。さらに、本研究成果の副産物として生まれた時系列データの解析技術は様々な疫学研究に広く応用できることから、多くの医学研究における解析・分析に応用されてた。現在、複数の原著論文や国内外の学会で成果を発表しつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

具体的なアルゴリズムを作成し、実際のデータセットを用いて、現在から疾病罹患までの時期の予測を可能にした。さらに、本研究で確立された時系列解析手法を用いた研究は広く応用され、多くの原著論文や国内外の共同研究などへの応用が期待されているため。

今後の研究の推進方策

今後の方針として、本研究で得られた知見は英文査読付き原著論文として執筆していく予定である。特に手法については既に複数の論文で用いられており査読中・投稿中ではあるが、今後は主題となる論文を代表研究者自らが筆頭著者として執筆していく予定である。次に、幾つのかの開発された統計学的アルゴリズムは知的財産として国内外での特許申請を実施していく予定である。最後に、社会実装の為に国内外の学会や有識者との会合を通して、ブラッシュアップおよび広く広報していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していた国際学会の出席を円安の影響で中止し、次年度のみの出席へ持ち越したため。
また、本年度論文出版を予定・必要な費用として計上していたが査読に時間が掛かり次年度へ持ち越された為。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Socioeconomic status transition throughout the life course and the risk of dementia:2024

    • 著者名/発表者名
      Ryoto Sakaniwa, Kokoro Shirai, Dorina Cador, Tami Saito, Katsunori Kondo, Ichiro Kawachi, Andrew Steptoe, and Hiroyasu Iso
    • 雑誌名

      JAMA Network Open

      巻: Impress ページ: Impress

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Trajectories of renal biomarkers and new onset heart failure in the general population: Findings from the PREVEND study2023

    • 著者名/発表者名
      Ryoto Sakaniwa, Jasper Tromp, Koen W. Streng, Navin Suthahar, Lyanne M. Kieneker, Douwe Postmus, Hiroyasu Iso, Ron T. Gansevoort, Stephan J.L. Bakker, Hans L. Hillege, Rudolf A. de Boer, and Biniyam G. Demissei
    • 雑誌名

      European Journal of Heart Faiure

      巻: 25 ページ: 1072-1079

    • DOI

      10.1002/ejhf.2925

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Intravenous methylprednisolone pulse therapy and the risk of in-hospital mortality among acute COVID-19 patients: A nationwide clinical cohort study”2023

    • 著者名/発表者名
      Ryoto Sakaniwa, Takuhiro Moromizato, Yasuharu Tokuda, Kiyosu Taniguchi, Kenji Shibuya
    • 雑誌名

      Critical Care

      巻: 27 ページ: 53

    • DOI

      10.1186/s13054-023-04337-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ライフスタイルの改善と平均余命延伸効果との関連について2024

    • 著者名/発表者名
      Ryoto Sakaniwa
    • 学会等名
      コホート・生体試料支援プラットフォーム若手支援研究成果発表会
    • 招待講演
  • [産業財産権] ライフスタイル・社会的要因・健診データに基づく個人レベルでの健康寿命推定モデルの開発2024

    • 発明者名
      坂庭嶺人
    • 権利者名
      坂庭嶺人
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      50331

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公開日: 2024-12-25  

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