日本人では報告の少ない詳細リポ蛋白分画の脂質と冠動脈疾患発症との関連を検討し、冠動脈疾患発症に関連する脂質プロファイルを明らかにしたことの意義は大きい。またそこで関連の示されたHDL分画の脂質のGWASならびに関連のあったSNPと飲酒習慣の脂質に対する交互作用を検討し、飲酒習慣との交互作用は示されなかったものの、HDLはその分画によって関連する遺伝子が異なる可能性が示唆された。今後の研究の展望として、飲酒以外の生活習慣要因との交互作用についても検討するため、本研究で得られた知見から想定される効果量や遺伝様式を参考にすることで適切な症例数設計に基づく研究が実施できると考えられた。
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