研究課題/領域番号 |
22K17404
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
西岡 大輔 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90901041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 貧困 / 生活保護 / 被保護者健康管理支援事業 / 公的扶助 |
研究実績の概要 |
生活保護利用者(以下、利用者)の健康支援の重要性が提起され、被保護者健康管理支援事業が全国の福祉事務所で実施されるようになった。利用者の健康状態に関する基礎的なエビデンスはいまだ不十分である。本研究では、福祉事務所が所有する生活保護行政データ等を用いて、利用者の健康支援に資するエビデンスを形成することを目的とした。令和5年度は、2本の研究論文が受理、公開された。まずは、利用者の健康実態が非利用者と比較して不利な状況になりやすいこと、その支援上の課題を明らかにしたレビュー論文が国際誌に受理された。また、国内の複数の自治体の福祉事務所データを活用して、定期的な通院継続が難しい集団を特定した論文が国際誌に受理・公開された。共同研究契約を結んだ1自治体の利用者の受療行動(頻回受診など)には、利用者の個人要因だけでなく、地域の社会環境要因が関連しており、居住地域の特徴による差異が存在していることを示した。また架電による健診受診勧奨が効果的な集団を明らかにした。これらの研究成果は第82回日本公衆衛生学会総会(茨城県つくば市)で発表後に、論文化し、現在いずれも査読を受けている状態である。他にも、複数自治体のデータを活用した研究論文が査読を受けているか、また投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果が順調に公開されているため。今後も英文・和文ともに学術論文を投稿し、複数の研究成果を創出できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、現在査読中の合計3件の論文に関して、受理掲載に向けて対応を進める。また2本の投稿準備中の論文を発表・投稿を進め、エビデンスの形成を目指していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在合計3本の英語論文が査読を受けているが、査読に時間を要している状況である。これらの投稿料および論文掲載料が年度を繰り越して生じたため。これらの論文が受理され次第、予算を執行できる見込みである。
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