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2023 年度 実施状況報告書

カルバペネム耐性菌感染症が患者に与えるインパクトを解明するための多施設共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K17408
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

齋藤 翔  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国際感染症センター 医師 (40809274)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードカルバペネム耐性 / 薬剤耐性 / 予後
研究実績の概要

日本全国の13施設からカルバペネム耐性菌の臨床情報と菌株、およびコントロールとなるカルバぺネム感受性菌の臨床情報を収集した。2024年3月31日時点で1304株、1023症例の臨床情報の収集を完了した。
2022年10月には日本感染症学会東日本地方会においてカルバペネム耐性(CR)および感性(CS)緑膿菌の予後比較に関する発表を行った。CR感染症の内訳は血流感染症11.4%
/11.4%、呼吸器感染症42.9%/45.7%、尿路感染症17.1%/25.2%、創部感染症11.4%/17.1%、胆管炎5.7%/2.9%、膿胸5.7%/2.9%であった。30日死亡率はCR/CS群で14.3%/8.6%、死亡例を除いた検出後の入院期間の中央値は39日/33.5日であった。
CR緑膿菌感染例はCS緑膿菌感染例と比較して死亡率が高く、入院期間が長い傾向にあることを明らかにした。
2023年には米国感染症学会(IDWeek)においてがん患者と非がん患者における予後の比較を行い、がん患者においてはcomposite outcome(死亡、臨床経過の増悪、ICU入室、気管挿管、透析)の割合が高いことを明らかにした。
またStenotrophomonas maltophiliaの解析を行い、呼吸器にcolonizationする割合が高く、感染症例では保菌例と比較し死亡率が有意に高いことを明らかにした。スルファメトキサゾール-トリメトプリムは依然として有効であるが、レボフロキサシンに対する感受性は低下していた。菌株は遺伝的に非常に多様であり、環境由来である可能性が高いと考えられた。国際英文誌への投稿を行い、2024年度でのアクセプトを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

日本全国の13施設からカルバペネム耐性菌の臨床情報と菌株、およびコントロールとなるカルバぺネム感受性菌の臨床情報を収集した。2024年3月31日時点で1304株、1023症例の臨床情報の収集を完了した。
またカルバぺネム耐性菌の遺伝子解析を進めたが、2023年度は未発表であるため2024年度に発表予定である。

今後の研究の推進方策

2024年度はこれまで蓄積してきたデータをもとに、腸内細菌目細菌、ブドウ糖非発酵菌についての患者背景、感受性、臨床的予後をまとめ、感染群と保菌群における差異を見出す。
Stenotrophomonas maltophiliaについて臨床的、分子疫学的解析を行い、論文化し国際誌でのアクセプトを目指す。
免疫不全者におけるカルバペネム耐性菌感染症とカルバペネム感性菌感染症の予後を比較解析し、カルバペネム耐性菌感染症が臨床的に与えるインパクトを明
らかにする。本データについても論文投稿の準備を進める。

次年度使用額が生じた理由

会議についてはオンライン会議を行うことで経費削減が可能であった。
またデータ管理費用については内部人材による作業が可能であったため人件費
を削減することが可能となった。
EDC維持費用については別研究費が利用可能であったため、削減することが可能であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Clinical Characteristics and Prognoses for Carbapenem-Resistant Bacterial Infections in Patients with Cancer in Japan: A Multicenter Study from the Multi-Drug Resistant Organisms Clinical Research Network (MDRnet)2023

    • 著者名/発表者名
      Naoya Itoh, Nana Akazawa, Takanori Kawabata, Kayoko Hayakawa, Masahiro Suzuki, Aki Sakurai, Kohei Uemura, Yasufumi Matsumura, Ryota Hase, Hideaki Kato, Takehiro Hashimoto, Takashi Matono, David van Duin, Norio Ohmagari, Yohei Doi, Sho Saito
    • 学会等名
      IDWeek2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Stenotrophomonas maltophilia in Japanese hospitals: Clinical characteristics and molecular epidemiology of infection and colonization cases registered in multicenter surveillance network2023

    • 著者名/発表者名
      Ryota Hase, Aki Sakurai, Masahiro Suzuki, Naoya Itoh, Sho Saito, Kayoko Hayakawa, Kohei Uemura, Yasufumi Matsumura, Hideaki Kato, David van Duin, Norio Ohmagari, Yohei Doi
    • 学会等名
      IDWeek2023
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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