研究課題/領域番号 |
22K17414
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楊 志斌 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (10852543)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | traumatic brain injury / shaken baby syndrome |
研究実績の概要 |
今年度は動物頭部外傷モデルを動物揺さぶられ症候群モデル作成に方向転換し、先行論文を参考し、プロトコールを作成した(Ueda S, et al. Neurosci Lett. 2020)。実験動物をラットに決定し、3日齢過ぎた仔ラットを対象に、震盪機の震盪で揺さぶられ症候群の外力を模倣して、脳内出血、硬膜下出血らを引き起こすことが出来る。来年度でまず動物モデル45匹の作成を見込む。これでヒト揺さぶられ症候群の病態及び経時的変化の解明を期待出来る。それに、仔ラット脳組織による初代培養は本研究室に於ける常用される実験手法の一つで、初代培養に様々な負荷をかけることでヒト揺さぶられ症候群の脳組織を模倣することも期待出来る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
途中方向転換(頭部外傷の枠には逸脱していないものの)があるため計画が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
「揺さぶられ症候群」(shaken baby syndrome)を含む小児期の虐待的頭部外傷は、青年期および成人期の精神障害のリスクを高めると考えられている(Whitaker AH, et al. Arch. Gen. Psychiatry. 2011, Teicher MH, et al. Nat Rev Neurosci. 2016)。揺さぶられ症候群の脳では硬膜下出血、くも膜下出血、脳内出血が起こり、被害者の30%以上が死亡する(Squier W. Acta Neuropathol. 2011)。しかしながら、小さな出血や重篤な神経症状を伴わない出血は正確に診断することが難しい。本研究により、揺さぶられ症候群における損傷脳の病態生理学的経時変化を明らかにし、死亡事例の診断へと応用していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画が遅れていたため一部の経費は次年度初使うことになる。
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