研究課題/領域番号 |
22K17421
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲島 圭将 大阪大学, 医学部附属病院, 特任研究員(常勤) (10900277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 無人タイムスタディ / 看護業務動線 / 可視化 / 業務動線長 |
研究実績の概要 |
「ビーコンとモバイル端末を用いた無人タイムスタディから得られる大量の業務動線データに対し,消費者動線研究で用いられている機械学習等のアプローチを応用することで,看護師の業務動線長と業務動線パターンに影響を与える因子を特定し,業務整理等の実務に応用する」という目的において最も重要となるのは,無人タイムスタディを実施して大量の業務動線データを収集することである.当該年度においては,予定した全てのタイムスタディを実施するまではいかなかったが,10病棟において無人タイムスタディを実施し,約300人の看護師の業務動線データを収集することができた.2022年度の実施計画に基づいて,稼働率やオペ件数,ナースコール件数などの業務動線長に関係ある可能性の高いデータを電子カルテログから抽出した.また,勤務帯や時間帯と業務動線長の関係を可視化し,その結果を無人タイムスタディを実施した病棟に開示した.この分析において,業務動線長の曜日特性や時間特性があることがわかった.無人タイムスタディの実施が予定よりも遅れているため,2022年度に予定していた相関分析までは行えていないが,その代わりに業務動線を可視化するプログラムを作成した.これにより,全ての勤務帯の全ての勤務者の業務動線を可視化することが可能となり,実際に病棟の業務改善のためのデータとして活用した.計画一年目の段階で,調査の結果を実務へ応用できたことは,非常に意義があると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物価高の影響により当初予定した数のビーコンとモバイル端末を購入できなかったことと,Covid19の影響により調査を実施できない時期があったことにより,無人タイムスタディ調査の実施件数が予定よりは遅れているが,当初予定していなかった看護業務動線の可視化を行うことができたため,概ね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究実施計画通り,無人タイムスタディ調査を継続的に実施する.そして,業務動線長に影響を与える因子の特定を行った後,動線パターンの分析を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
物価高の影響により,モバイル端末(iPhone SE2)とビーコンを予定していた分購入できなかったため,次年度使用額が発生した. 翌年度分と合わせた金額については,計算機(PC)の追加購入とビーコンやモバイル端末が故障した場合の購入に充てる.また,当初の予定通り,学会参加や論文投稿,旅費に充てる予定である.
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