研究課題/領域番号 |
22K17428
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
桑村 淳子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (80615815)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 褥瘡 / 循環不全 / 終末期 |
研究実績の概要 |
本研究は「循環機能不全終末期患者の褥瘡発生リスク因子を探索すること」を目的としている。日本ではBraden Scaleを褥瘡リスクアセスメントスケールとして使用している病院が多いが、栄養状態が低下し悪液質が出現した終末期患者に対して、Braden Scaleだけでは褥瘡発生の予測が難しいと考えている。悪液質が出現しやすいという終末期特有の状況や浮腫が出現しやすいという循環機能不全特有の状況を踏まえ、特殊な機械や検査に頼らない方法であるADLや血液データなどを使用して褥瘡発生要因を探索する計画である。 この課題は後方視的カルテ調査である「循環機能不全終末期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」および「浮腫を伴っている循環機能不全増悪期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」、前方視的観察調査である「浮腫を伴っている循環機能不全増悪期患者の体圧を測定する研究」で構成している。 2022年度は文献を用いて研究計画の再検討を行うとともに、後方視的カルテ調査の研究体制の構築および倫理申請を主に実施した。日々治療薬が開発される中で比較群をどのように設定するのか、多寡がないようにどのような調査項目を挙げるのか、について文献を使用して再検討した。再検討した結果「循環機能不全終末期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」および「浮腫を伴っている循環機能不全増悪期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」の調査期間や調査項目を決定した。その後、研究実施機関(病院)と相談し、倫理申請に必要な研究実施機関所属者に研究協力を依頼し、研究体制を構築した。 研究体制構築後に所属学部への倫理申請を行い、承認後に研究実施機関(病院)へ研究協力を依頼し、研究実施の許可を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この課題は後方視的カルテ調査である「循環機能不全終末期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」および「浮腫を伴っている循環機能不全増悪期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」、前方視的観察調査である「浮腫を伴っている循環機能不全増悪期患者の体圧を測定する研究」を実施する予定であるが、どれも患者を対象とした研究のため、所属学部以外にも研究実施機関(病院)の許可を得る必要がある。 まずは後方視的カルテ調査を行うために、研究実施機関(病院)へ倫理申請の内容や手続き方法を確認して所属学部の倫理申請を行ったが、所属学部の倫理承認後に研究実施機関(病院)の手続き方法の変更が起こった。そのため、所属学部に修正の倫理申請を行う必要があり、調査前の手続きに時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
この課題は後方視的カルテ調査である「循環機能不全終末期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」および「浮腫を伴っている循環機能不全増悪期患者の褥瘡発生予測因子を探索する研究」と前方視的観察調査である「浮腫を伴っている循環機能不全増悪期患者の体圧を測定する研究」で構成している。 後方視的カルテ調査を行うために必要な手続きが終了したため、まずはカルテ調査を実施する。 後方視的カルテ調査を実施する中で、前方視的観察調査の調査内容を絞り込む予定である。体圧を測定する前方視的観察調査の調査内容が絞り込めたら、倫理申請の準備および調査に必要な物品の購入手続きを行い、後方視的カルテ調査と並行して研究を進められるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理承認に時間がかかり、調査が開始できなかった。 また応募時に予定していた研究を研究順も含めて再検討したことで、初年度に購入する物品の一部は次年度以降の購入で問題ないことがわかった。物品の劣化や保管場所を考え、使用時に物品を購入する予定である。
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