研究課題/領域番号 |
22K17434
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原 ゆかり 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20756259)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 職業価値観 / 看護師 / 変化 / 子育て / ライフイベント / キャリア選択 |
研究実績の概要 |
看護師の就業場所やキャリアの選択肢が多様化している現代において、看護師個々人が自身にあった就業場所を選択するためには、自身の職業価値観を知ることが必要である。本研究では、病院、介護施設、訪問看護ステーションなど、さまざまな施設で働く看護師を対象として大規模調査を実施することによって看護師の職業価値観がキャリアに関する変数にどのように影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的としていた。 2023年度は、看護師の職業価値観がどのように変化するかについて、先行研究でライフイベントが職業価値観の変化に影響を及ぼす可能性が指摘されているため、子育てを行っている看護師に着目し、職業価値観の変化に関する変数の特定にチャレンジした。具体的には、学術調査を行っている調査会社に一部委託し、子育てを行いながら看護師として働いている対象者をサンプリングしていただき、職業価値観の変化に関して200名のデータを取得した。現在はこのデータを用いて、職業価値観の変化に影響を及ぼす要因に関する分析を行っている。分析途中であったため2024年度まで研究期間を延長した。 2024年度には、2つの調査を予定している。1つ目は、近年需要が高まっている訪問看護ステーションで子育てを行いながら働いている看護師の、キャリア選択および職業移動と職業価値観について調査を行う予定である。2つ目は2023年度の調査で解明された職業価値観の変化に影響を及ぼす要因を組み込み、職業価値観の変化を解明するための縦断調査を開始する予定である。本研究によって職業価値観がさまざまな変数に及ぼす影響のプロセスを解明できるため、看護師個々人の職業価値観に合わせたキャリア選択を促進するための貴重な資料となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断調査を始められる状態ではあったものの、職業価値観の変化に影響を及ぼす要因をさらに探求してからの方が効果的な縦断調査になることを想定し、ライフイベントを経た看護師の調査を追加で実施した。最終年度となる2024年度には縦断調査を開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度についても、ライフイベントを経た看護師を対象とした追加調査を実施し、その後縦断調査を開始する。予算およびスケジュールを鑑みても当初の研究計画を遂行できる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に計画していた、調査実施および調査のシステム開発について、他のプロジェクトと合同で実施したことによって経費を削減できたため2024年度まで予算を繰り越した。繰り越した予算は、研究精度を高めるための追加調査の実施に充てている。2024年度は繰り越した予算を使用した調査及び当初の計画通りの調査を遂行する予定である。
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