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2023 年度 実施状況報告書

老化及び老化関連疾患と酸化ストレス「プロテアソーム機能低下と細胞ストレス応答」

研究課題

研究課題/領域番号 22K17435
研究機関山形大学

研究代表者

村田 恵理  山形大学, 医学部, 講師 (70738476)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード酸化ストレス / 活性酸素 / フリーラジカルスカベンジャー / 皮膚虚血再灌流障害
研究実績の概要

加齢によるプロテアソーム機能の低下はヒトを含む多くの動物種で観察されており、老化に加え、心疾患、神経変性疾患、代謝疾患等の病態形成に関与すると考えられている。研究代表者が所属していた研究室では、プロテアソーム機能低下を示すマウスモデル(Tg)を独自に作製し、本マウスに老化の表現型を示すこと、環境因子の負荷により老化関連疾患に類似した病態を示すことを明らかにしてきた。
本研究ではプロテアソームと酸化ストレスに着目し、プロテアソームやストレス応答の異常と老化関連疾患における病態を明らかにし、予防並びに治療法とそれに付随する看護支援方法の開発を目指す。
現在までに老化関連疾患の一種であり、皮膚虚血再灌流障害 (IRI) が病因の一因とされる褥瘡と酸化ストレスに着目し引き続き検討を進めた。IRIの病態形成に影響を与える炎症性サイトカインや細胞接着分子の発現変化を検討したところ、野生型 (WT) とTgの間に有意差は認めなかった。TgではIRIによる酸化ストレスの亢進を認めたが、酸化ストレス応答に働くNrf2経路を活性化させたkeap1-Tgにおいて皮膚IRIによる組織傷害は十分に改善されなかった。また、線維芽細胞 (FB) に低酸素・再酸素負荷 (H/R) を処置すると、酸化ストレス応答関連分子の発現はH/R処置後0-12hにかけて増強したものの、24hではNrf2の活性化に引き続き起こる抗酸化酵素群の発現を認めなかった。更に、フリーラジカル消去剤エダラボン (EDA) の投与はTgのIRIを改善し、酸化ストレスを抑制した。EDAはプロテアソーム阻害下のH/R処置によりFBに発生する酸化ストレスとROSの産生及び細胞死を抑制したが、酸化ストレス応答転写因子及び抗酸化酵素群の発現には影響が見られなかった(未発表データ)。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

本研究ではプロテアソームと酸化ストレスに着目し、プロテアソームやストレス応答の異常と老化関連疾患における病態を明らかにし、予防並びに治療法とそれに付随する看護支援方法の開発を目指している。
現在までにプロテアソーム機能低下が細胞ストレスに与える影響について、老化関連疾患の一種であり、皮膚虚血再灌流障害 (IRI) が病因の一因とされる褥瘡と酸化ストレスに着目し引き続き検討した結果、IRIの病態形成に影響を与える炎症性サイトカインや細胞接着分子の発現変化において、野生型 (WT) とプロテアソーム機能低下を示すマウスモデル (Tg) の間に有意差は認めなかった。TgではIRIによる酸化ストレスの亢進を認めたが、酸化ストレス応答に働くNrf2経路を活性化させたkeap1-Tgにおいて皮膚IRIによる組織傷害は十分に改善されなかった。また、線維芽細胞 (FB) に低酸素・再酸素負荷 (H/R) を処置すると、酸化ストレス応答関連分子の発現はH/R処置後0-12hにかけて増強したものの、24hではNrf2の活性化に引き続き起こる抗酸化酵素群の発現を認めなかった。更に、フリーラジカル消去剤エダラボン (EDA) の投与はTgのIRIを改善し、酸化ストレスを抑制した。EDAはプロテアソーム阻害下のH/R処置によりFBに発生する酸化ストレスとROSの産生及び細胞死を抑制したが、酸化ストレス応答転写因子及び抗酸化酵素群の発現には影響が見られなかった。現在、これらのデータをまとめ、論文投稿の準備を進めているところである。

今後の研究の推進方策

現在、論文投稿へ向けてデータを最終確認しており、データを裏付けする実験を追加で実施する予定である(酸化変性タンパク質の発現変化、Nrf2の抗酸化応答配列/親電子性物質応答配列への結合に関わる物質の発現変化など)。更に、本研究ではフリーラジカル消去剤としてエダラボン (EDA) を投与しているが、他のフリーラジカル消去剤を投与した場合の酸化ストレスの感受性等の変化について検討を進める。また、酸化ストレス関連疾患とされる糖尿病やメタボリックシンドローム症候群における病態についても検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、研究の進捗が若干遅れており、当課題で予定していた実験に必要且つ購入予定であった物品をまだ購入していないことと、論文投稿料として計上していた予算を執行していないからである。今後の使用計画としては、研究課題を遂行すべく、実験スケジュールを見直し、適切な時期に実験に必要な機器、試薬、プラスチック製品を購入する予定であることと、論文投稿料として使用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Decreased proteasome function increases oxidative stress in the early stage of pressure ulcer development2024

    • 著者名/発表者名
      Murata Eri、Yoshida Takuma、Tomaru Utano、Yamamoto Saaki、Fukui-Miyazaki Aya、Ishizu Akihiro、Kasahara Masanori
    • 雑誌名

      Experimental and Molecular Pathology

      巻: 137 ページ: 104891~104891

    • DOI

      10.1016/j.yexmp.2024.104891

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 褥瘡の病態形成にAldehyde reductase (ALR) が与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      村田恵理, 大沼優衣, 大井拓巳, 佐竹美穂, 佐藤梨花子, 齋藤貴史, 藤井順逸
    • 学会等名
      第76回日本酸化ストレス学会学術集会
  • [学会発表] マウス圧迫創における温冷刺激の創傷治癒への影響~Heat shock Protein B1に着目して~2023

    • 著者名/発表者名
      木村未来, 村田恵理, 石田陽子, 松田友美
    • 学会等名
      第25回日本褥瘡学会学術集会
  • [学会発表] ビタミンCが老齢マウスの褥瘡形成に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      村田恵理, 大沼優衣, 佐藤有依, 千葉瑛里香, 藤田有華, 齋藤貴史, 藤井順逸
    • 学会等名
      第21回コ・メディカル形態機能学会学術集会
  • [学会発表] Aldehyde reductase affects the pathogenesis of pressure ulcers2023

    • 著者名/発表者名
      Eri Murata, Yui Onuma, Takumi Oi, Miho Satake, Rikako Sato, Takafumi Saito, Junichi Fujii
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会
  • [学会発表] Influence of Aldehyde reductase (ALR) on the pathogenesis of pressure ulcers2023

    • 著者名/発表者名
      Eri Murata, Yui Onuma, Takumi Oi, Miho Satake, Rikako Sato, Takafumi Saito, Junichi Fujii
    • 学会等名
      第113回病理学会総会
  • [学会発表] 褥瘡の病態形成における加齢変化とアスコルビン酸 (AsA) が与える効果2023

    • 著者名/発表者名
      村田恵理, 大沼優衣, 佐藤有依, 千葉瑛里香, 藤田有華, 齋藤貴史, 藤井順逸
    • 学会等名
      第31回山形分子生物学セミナー

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公開日: 2025-12-26  

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