研究課題/領域番号 |
22K17437
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山口 大輔 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (60735182)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 抑うつ傾向 / タイプDパーソナリティ / レジリエンス / 看護学生 |
研究実績の概要 |
本研究は,①看護大学生の抑うつと関連する要因を探索するため,看護大学生の性格特性やレジリエンス(困難からの回復力)と生活習慣を調査すること、②就学中に進行する抑うつ傾向と関連する性格特性(タイプDパーソナリティ),レジリエンスと生活習慣を明らかにすることを目的としている。2023年7月に同意を得られた看護大学生1~4年生に質問紙調査を行った。看護学生182名を対象に観察研究を行った。分析の結果、41.2%が抑うつ傾向であり、そのうちの81.3%がタイプDパーソナリティであった。また、抑うつに関連する要因はタイプDパーソナリティ(OR=8.27, p< .001)、レジリエンス下位尺度のPositive Future Orientation(OR=0.47, p=.012) 、3食の食事摂取(OR=0.22, p=.005)であった。このことから、Positive Future Orientationの向上を目指して介入を行うことや、タイプDパーソナリティの特性を考慮した介入を行う必要性が示唆された。また、生活習慣においては、学生の食事摂取回数が1日3食未満になっていないかを把握し、必要な学生には食事回数の重要性についても学習支援を行う必要性が示唆された。本研究は現在、国際的な看護学会で査読中である。 今後は、2回目の調査結果を整理し、縦断的研究の結果を分析する。また、抑うつや食事や睡眠などの生活習慣が学業成績に与える影響も分析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質問紙調査は計画通り2回行い、論文の投稿が行えた。今後は、2回の調査との変化を分析する。研究の進行は計画通りである。しかし、体組成計による測定は時間がかかるため、観察者全員に行うことは困難なため、体組成計を用いて筋肉量などの体組成が抑うつと関連があるのかを明らかにする研究は今後、別の研究として計画し、倫理審査を受け、実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、1回目と2回目の調査の抑うつ傾向の変化や、抑うつの要因を縦断的に分析する。また、睡眠の質とレジリエンス、タイプDパーソナリティの関連の分析も行う。 体組成計を用いた抑うつとの関連を明らかにする研究は現在、計画中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定では、論文の内容の国内外の学会での発表を行う予定であったが、論文作成と投稿を優先し、発表を行わなかった。そのため、次年度使用額が生じた。次年度は、縦断的研究か睡眠の質に関する研究を国際学会などで発表するために使用する予定である。
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