研究課題/領域番号 |
22K17438
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
色摩 茉衣子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (00929987)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 爪郭部毛細血管 / 2型糖尿病 / 受診中断 / 行動変容 |
研究実績の概要 |
糖尿病合併症の発症・重症化を防ぐには、糖尿病治療の継続が不可欠である。しかし、2型糖尿病は進行するまで自覚症状に乏しく、毎年、受診中断をする者が後を絶たない。糖尿病の合併症発症前に、糖尿病合併症と関連のある体内の変化を可視化できれば、患者は自覚症状の有無によらず、将来の合併症のリスクを実感でき、受診中断を予防できる可能性がある。そこで本研究では、2型糖尿病患者における受診中断予防の新たな支援方法として、「爪郭部毛細血管の可視化」に着目した。本研究の目的は、エビデンスに基づき「爪郭部毛細血管の可視化」を受診中断予防の支援に用いるため、縦断研究により爪郭部毛細血管の捻転と糖尿病合併症の発症との関連を明らかにすることである。 3年計画で行う本研究の1年目である2023年度は、縦断研究への倫理審査の変更申請を行った。 また、ベースラインデータの追加解析を行い、爪郭部毛細血管の捻転割合の増加のメカニズムについて検討した。 診療録より過去の最大BMIを収集可能な60名の2型糖尿病患者を対象に、過去の最大BMI、調査時のBMIと爪郭部毛細血管の捻転割合の増加との関連を検討した。多変量解析の結果、2型糖尿病患者において、過去の最大BMIと調査時のBMIが肥満と分類された患者は、過去も調査時のBMIも肥満ではない患者に比べて有意に捻転割合が多かった(p=0.03)。また、過去の最大BMIは肥満であったが調査時のBMIは肥満でない患者も、過去も調査時のBMIも肥満ではない患者に比べて捻転割合が多い傾向にあった(p=0.15)。以上の結果から、爪郭部毛細血管の捻転の増加には、肥満歴が関連している可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、倫理審査の変更申請、ベースラインデータの追加解析が行えたため、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
追跡調査のデータ収集、ベースラインデータの分析結果の公表を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国内外の学会がオンライン開催となる場合が多く、旅費の支出をほとんど行わなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は現地での学会に参加する予定であり、旅費の支出が見込まれる。
|