研究課題/領域番号 |
22K17472
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田村 沙織 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50756210)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 肺がん / 放射線療法 / レジリエンス / 不安 / 抑うつ / QOL |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、放射線療法を受ける肺がん患者のレジリエンスと不安や抑うつ、QOLとの関係を明らかにし、レジリエンスに影響する要因を特定し、レジリエンスを高めるための看護モデルを考案することである。令和4年度は成人がん患者のレジリエンスに焦点をあてた国内文献のレビューを行い、がん患者のレジリエンスを高める看護介入に向けた課題を明らかにした。使用したデータベースは医中誌Webとし、キーワードは“がん”AND“レジリエンス”として検索を行った。結果、182件が抽出され、文献の内容を精査し12件の対象文献が抽出された。対象となったがん種は乳がんが4件と最も多く、大腸がんや食道がんなど多様ながん種であった。対象者の治療とその時期は、術前・術後の補助療法中、術後の外来定期受診、緩和的放射線治療中、化学放射線療法中など様々であった。レジリエンスへの看護介入に向けた新たな知見は肯定的感覚を高める看護介入、治療による副作用症状の緩和に向けた支援であった。レジリエンスに関連する要因は、学歴や収入などの個人要因があることが示された。この結果より、レジリエンスは多様ながん種や様々な治療を受ける患者に活用できる概念であることが考えられた。また、副作用症状出現時期のレジリエンスの実態やレジリエンスと副作用症状との関連を明らかにすることで、レジリエンスを維持するための看護介入を検討する基礎資料を得ることができると考えた。 令和5年度は、研究計画を作成し、倫理審査委員会の承認を得て、調査を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
放射線療法を受ける肺がん患者のレジリエンスに関連する要因について文献検討を行い質問内容を確定する計画であったが、該当する国内文献の抽出と精読に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
症例数確保のためには、多施設での調査になることが予想されるため、対象施設の選定、研究協力者と調整を行い、早期に調査を開始できるよう進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究進捗の遅れたため、質問紙調査準備に伴う費用や研究対象者への謝礼について次年度に使用することとなった。
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