研究課題/領域番号 |
22K17473
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
奥 菜央理 九州大学, 大学病院, 助教 (60898972)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 味覚障害 / 同種造血細胞移植 |
研究実績の概要 |
造血細胞移植患者では、がん細胞の根絶を目的に移植前処置(大量化学療法や全身放射線照射)や、移植片対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)予防目的のメソトレキサートなどにより、様々な口腔有害事象が出現する。その中でも味覚障害は患者の生活の質(QOL)低下や経口摂食不良のみならず、経口摂取の低下から栄養不良や腸内フローラの恒常性低下につながり、移植成績にも悪影響を与えかねない。しかしながら味覚障害の実態に関しては不明な点が多い。一般的な抗がん剤による味覚障害では亜鉛補充療法が有効と言われているが、同種造血細胞移植患者に味覚障害では有効な手段とならない症例もあり、エビデンスに基づく対処法が確立されていないのが現状である。 本研究では、同種造血細胞移植患者の味覚障害に関して、①発症頻度や時期、②影響を受けやすい味質の種類、③口腔粘膜障害などの有害事象との関連といった臨床的実態を把握することを目的としている。また提供可能食品を味覚センサにて分析し、客観的な新規摂食栄養支援体制の臨床実用を将来的に目指している。 本年度は、同種造血細胞移植を受ける患者を対象として、前処置開始前、移植日から生着後、移植3ヶ月後に自覚的評価 (CiTAS)、他覚的味覚評価 (全口腔法)、口腔内評価や有害事象の有無の調査を行った。今後も造血細胞移植患者の味覚障害の実態調査を継続し、使用薬剤および口腔機能や栄養指標との関連を調査する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ流行に伴い、同種造血細胞移植の症例数が減少したため
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、同種造血細胞移植予定数は増加の見込みであり、全例を対象として、味覚検査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大により、対象者が減少したため、消耗品の物品購入費が減額になったため、次年度使用額が生じた。 2023年度は対象者の増加を見込んでおり、物品購入費として使用予定である。またデータ解析も予定しており、解析にカカkる費用として計上予定である。
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