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2022 年度 実施状況報告書

外来で査定可能な頭頸部がんサバイバーの晩期有害事象と生活支障評価票の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K17476
研究機関沖縄県立看護大学

研究代表者

源河 朝治  沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (70808576)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード頭頸部がん / 放射線療法 / 晩期有害事象 / がんサバイバー
研究実績の概要

晩期有害事象に関連した日常生活上の支障の内容を明らかにするために、文献検討を行った。その結果、放射線療法後の頭頸部がんサバイバーは、晩期有害事象自体の苦痛に加え、不安やうつ、アルコール依存といった精神的支障や、アピアランスの変化によるボディイメージの混乱といった精神的側面の支障を体験していることが明らかになった。また、食習慣の変更や発語障害に伴う離職、人前での食事を控えるといった交友関係への影響、余暇活動の減少、収入の減少や継続的な医療費に関連した経済的な問題といった社会的側面の支障を体験していた。
文献検討の知見に基づき面接調査を行う予定であったが、新型コロナ感染症(以下、COVID-19)の影響で調査が実施できなかった。そのため、訪問看護ステーションに勤務するがん看護専門看護師に聞き取りを行った。その結果、口腔乾燥による口腔環境の悪化に伴う栄養状態の悪化や、不眠、交友関係の縮小に伴う孤立感によるアルコール摂取量の増加や開口障害の悪化といった心理社会的支障を経験していることが明らかになった。
また、オンライン上で公開されている頭頸部がんサバイバーの体験談の内容を収集した。その結果、味覚障害に伴う食欲減退、倦怠感や頸部から肩にかけての筋組織の線維化に伴う仕事や家事への支障といった内容を経験していることが明らかになった。
これらの知見から、放射線療法後の頭頸部がんサバイバーは、晩期有害事象に関連した日常生活上の支障として【食べたいものが食べられず食欲が湧かない】【倦怠感や肩甲部の痛みで生活がままならない】【人付き合いがなくなりうつや不安を抱えている】【歯牙の脱落で見た目が変わったことにショックを受ける】【食事や声の変化が原因で人と会いたくなくなる】【体力がもたず仕事が続けられない】【収入減少と医療費で経済的に厳しい】を有している状況であることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19により研究実施施設との調整が行えず、当初実施予定であった面接調査を行うことができなかった。また、COVID-19の蔓延による影響で、学内の講義・実習が、変更になり、資料作成、実習のための調整に時間が取られた。

今後の研究の推進方策

COVID-19の状況を見ながら、急ぎ面接調査を実施する。引き続きCOVID-19の影響を受けることが想定されるが、献検討と聞き取りにて支障の内容が明確化されてきたため、予定人数を見直しながら調査を行う。また、依頼の際に今後行う予定の調査についても同時に調整を行うことで事務的手続きの迅速化を図る。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の流行により、研究計画が予定通り進まなかったた。そのため、実施していない計画を次年度に実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 放射線照射後1年以上が経過した頭頸部がんサバイバーの晩期有害事象と社会的困難との関連2022

    • 著者名/発表者名
      源河朝治、神里みどり
    • 雑誌名

      Palliative Care Research

      巻: 17 ページ: 87-96

    • DOI

      10.2512/jspm.17.87

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 頭頸部がんサバイバーが生活体験から見出した晩期有害事象への対処行動2023

    • 著者名/発表者名
      源河朝治、神里みどり
    • 学会等名
      日本がん看護学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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