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2022 年度 実施状況報告書

がんサバイバーに対する「ストレングスを基盤とした支援」のあり方と課題

研究課題

研究課題/領域番号 22K17479
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

新幡 智子  慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 講師 (60458958)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードストレングス / がん看護 / がんサバイバー
研究実績の概要

わが国では、がんと共に生きる「がんサバイバー」が増加し、「がんとの共生」が国のがん対策の1つに掲げられている。がんサバイバーのQuality of Lifeの向上が示唆される支援の1つに、その人の「ストレングス(強み)」に注目し、それを発揮できるような支援が挙げられるが、わが国のがんサバイバーに対するストレングスを活用した支援の現状や課題についてはまだ十分明らかになっていない。そこで、本研究は、がん看護の経験豊富な看護師を対象に、半構造化面接を行い、看護師はがんサバイバーのストレングスをどのように認識し、そのストレングスをどのように支援に活用しているかという支援の実際を明らかにすること、そして、ストレングスを活用した支援を実践するうえでの難しさ・課題を明らかにすることにより、ストレングスを活用した支援の普及に向けた示唆を得ることを目的としている。
現在は、倫理審査の承認を受け、本研究の対象者となるがん看護の経験豊富な専門看護師・認定看護師をスノーボールサンプリングにより抽出し、インタビューガイドに基づき、半構造化面接によるデータ収集を進めている。また、データ分析は、Braun V & Clarke Vのテーマ分析の手法を参考に、以下の手順に基づいて実施している:【①インタビューデータから逐語録を作成し、コーディング単位を決定する、②逐語録を熟読する、③コーディング単位ごとに語りを要約する、④コーディングブックに記録する、⑤逐語録内のコードの類似性と相違性を探索し修正する、⑥テーマコードを作成する、⑦逐語録間の類似性と相違性を探索し修正する】。
今後は、引き続き、対象者への半構造化面接および分析を進め、がんサバイバーに対するストレングスを基盤とした支援のあり方や課題について考察し、論文作成を進めていく計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に基づき、文献検索を行い、研究倫理審査を受け、承認を得たうえで、対象者への半構造化面接によりデータ収集を進めている。また、データ分析も同時に少しずつ進めながら遂行しており、データの飽和状態を確認できるまで引き続き本プロセスを進めていく。なお、対象者のサンプリングには、想定より時間がかかることがわかったため、効率的に進められるよう紹介者への声かけを意識的に早めに行っていく。

今後の研究の推進方策

引き続き、スノーボールサンプリングにより対象者を抽出し、半構造化面接を行い、データ収集を進めていく。同時に、データ分析として、テーマ分析の手法を参考にデータの解釈を進めていく。
そして、データ分析終了後は、投稿論文の作成、および学会発表の演題登録に取り組んでいく。

次年度使用額が生じた理由

今年度の調査対象者は近隣であり、データ収集に際して旅費の支出が少なかったこと、および参加を予定していた学会に体調不良等の事情により参加できなかったことで旅費が発生しなかったこと、また人件費として、当初作業の依頼を想定していた方の事情で都合がつかなくなったことが生じたため、予定していた支出額より旅費や人件費の支出が少なかった。
次年度は、データ収集の機会が今年度より増加する予定であり、データ収集および分析に際して支出が増えることが想定される。また、学会参加や遠方の対象者へ調査を行う際の旅費が発生すること、データ分析に際して、逐語録の作成など業務委託による支出が生じることを予定している。

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公開日: 2023-12-25  

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