研究課題/領域番号 |
22K17480
|
研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
松石 雄二朗 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70907691)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | PICS-PF |
研究実績の概要 |
初年度においてはPICS-PFの発生要因の抽出を目的として文献検討を行い、既に先行研究で行なわれている精神的支援に関する介入研究の効果に関しても検討を行なっている。 PubMed、CENTRAL、CINAHL plus、APA PsycInfoを対象に文献抽出を行い1307件の文献から、研究者2名でスクリーニングを行い15件のPICS-PFに対する精神的支援に関するランダム化比較試験を抽出した。 抽出された介入方法にはハンドブックを用いた介入方法、2週間おきのフォローアップ面談などが行われており、介入は2ヶ月前後まで行われ、3ヶ月後、または6ヶ月後の時点での効果の検証を抑うつ症状、ストレス度、不安、心的外傷後ストレス障害の指標のいずれかで測定している研究が多かった。また、これらの研究の中で、フォローアップ面談を行うという方法で介入が行われている研究が複数確認できた。これらの研究者との連絡を取り、詳細なデータを取得した為、フォローアップ面談を行うことによる精神的支援とPICS-PFの関連性のメタ解析を行なう予定である。本文献検討に関してはYork大学のシステマティックレビューのプロトコルデータベースであるPROSPEROにシステマティックレビューとして登録を行なっている。(登録番号:CRD42023396042) これらのことから、2023年度から行うフォローアップに関しても、6ヶ月間フォローアップを行うことは妥当であることを確認した。そして、精神的支援をどの程度受けていると感じているかという観点に関してはどの研究においても測定がされていないため、本研究で測定し、PICS-PFとの関連性を明らかにする必要性が浮き彫りとなった。また、測定指標としてストレス度に関しても先行研究で多く報告されていることが確認できたため、2023年度のフォローアップ研究では追加して研究実施を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は予定通り、文献検討を行い、文献検討の中から本研究で追加する必要性のある知見が得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は小児集中治療室入室患児家族を対象に退室時、退室 3ヶ月後、退室 6 ヶ月後をフ ォローアップし、精神的支援を受けられている親と受けられていない親の PICS-PF の発生率変化を時系列で評価し、今後の PICS-PF の改善に向けた重要な介入時期を明確にするフォローアップ研究を行なっていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度においては人件費の発生がないこともあり、残額が生じた。次年度の観察研究において人件費が多く生じてくる為、次年度人件費においては使用予定である。また、旅費に関しても、コロナ禍の影響もあり、学会参加を控えていた為残額が生じたが、2022年度で集積した知見に関しての発表を2023年度に行ってく予定である。
|