研究課題/領域番号 |
22K17513
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
古藤 雄大 関西医科大学, 看護学部, 講師 (80808858)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 副腎白質ジストロフィー / インタビュー / システマティックレビュー / 異染性白質ジストロフィー / クラッベ病 |
研究実績の概要 |
2022年度に実施した副腎白質ジストロフィー患者の親へのインタビュー調査の分析を実施し、結果の取りまとめ、Journalへの投稿準備を進めている。調査の結果から、副腎白質ジストロフィーの疾患や症状が、患者の身体的健康や社会生活だけでなく、家族の介護負担や就労に影響することが示された。さらに、診断の遅れや治療による合併症管理などの医療面での課題や、福祉サービスの利用における調整機能の課題が明らかとなった。 また、同時に行っていた、異染性白質ジストロフィー患者の家族へのインタビュー調査の結果は、Molecular Genetics and Metabolism Reportsに掲載された。この調査においても、患者の生活、医療システムの課題、家族機能の課題が存在することが示された。 さらに、クラッベ病患者と家族へのインタビュー調査の結果は現在、Journalに投稿しレビュー段階にある。これらの結果から、次年度の質問紙調査における調査項目の開発を行った。 また、副腎白質ジストロフィーを含む白質ジストロフィー患者と家族に関する質的知見の統合のためのシステマティックレビューを実施し、その結果を取りまとめ、JBI Evidence Synthesisに掲載された。このシステマティックレビューでは11件の質的研究論文の知見が統合された。その結果、身体症状の進行に合わせたケアの提供、適切な支援を提供するための医療チームの構築、疾患の受け入れとコーピングを促すための家族機能の調整の3点が推奨事項として示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー調査の結果の取りまとめ及び質問紙調査項目の作成に期間を要したものの、2024年度から調査の実施に進むことができる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はこれまでの研究知見をもとに、副腎白質ジストロフィー患者を含む白質ジストロフィー患者と家族への質問紙調査を実施する。既存のQOL尺度や介護負担感尺度に加え、本研究の知見から作成された質問項目の妥当性や信頼性の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加する予定であった国際学会が政情不安のため参加できなかった。また、投稿後にオープンアクセスを予定していた論文の採否が令和5年度中に決まらなかった。
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