研究課題/領域番号 |
22K17538
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
川村 崇郎 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (50782611)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 高齢者 / 認知症 / 糖尿病 / 訪問看護 / 生活調整 |
研究実績の概要 |
本研究の実施にあたっては、申請の段階で文献検討を実施するとともに、第一段階の研究である、認知症をもつ高齢糖尿病患者に訪問看護を実施する新人訪問看護師へのインタビュー調査に関して、研究計画の作成に着手していた。2021年度内に研究計画を立案、研究者が所属する機関において研究倫理審査委員会に申請し、2022年4月に倫理審査委員会の承認を得た。2022年度前期を通して、約15の訪問看護ステーションの管理者に研究協力の依頼を行い、13施設から研究協力に対する内諾が得られた。その中で、実際に研究参加者の適格基準を満たす新人訪問看護師の紹介が可能であったのは9施設であり、各施設の管理者から研究協力の同意を得て、研究参加候補者に研究説明を実施した。最終的に14名の新人訪問看護師より研究参加の同意が得られ、2022年10月から2023年3月に順次、インタビューを実施した。各インタビューでは、実施後に語られた内容を確認し、必要時に適宜リサーチクエスチョンとインタビューガイドを再検討した。 上記のように、2022年度はインタビュー調査によるデータ収集を完了しており、また、数例のインタビューデータに関しては分析も行っていることから、おおよそ計画通りに進捗していると言える。しかし、全てのデータの分析は完了しておらず、十分な概念化までは至っていない。そこで、2023年度以降は、データ分析を完了し、研究結果を公表する。またその結果を踏まえて、第二段階の研究である、中堅~ベテラン訪問看護師を対象としたインタビュー調査のリサーチクエスチョンの具体化と、インタビューガイドの検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請当初の研究計画では、2022年度は第一段階の研究である、新人訪問看護師を対象にしたインタビュー調査に関して、データ収集を完了することを目指していた。 計画段階で、認知症をもつ高齢糖尿病患者に訪問看護を実施する新人訪問看護師10~15名にインタビュー調査を実施する予定としていたが、2022年度内に14名の新人訪問看護師にインタビュー調査を実施できた。したがって、データ収集は完了しており、研究計画通りに進捗していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に収集したインタビューデータの分析を進め、認知症をもつ高齢糖尿病患者への訪問看護を実施する新人訪問看護師の困難感やその対処を含む体験について明らかにする。その結果を学術集会で発表するとともに、論文化と投稿を予定している。またその結果を踏まえて、第二段階の研究である、中堅~ベテラン訪問看護師を対象としたインタビュー調査のリサーチクエスチョンとインタビューガイドを検討して研究計画を具体化し、倫理審査委員会への申請を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初は、研究参加者の希望がある場合には研究対象施設ではなく、個室のレンタルスペースあるいはWeb会議ツールを用いてインタビューを実施することを予定していた。実際には、研究参加者の多くが訪問看護活動に支障を来さないようにWeb会議ツールでのインタビューを希望したため、レンタルスペースを借りるための会場費やデータ収集にかかる交通費等の支出が抑えられた。また、テープ起こしに関しては、もともと依頼を想定していた業者よりも安価に対応してもらえる業者へ依頼することができた。 2023年度は所属機関の異動のため、研究実施環境を再整備する必要が生じる。また、学会発表や投稿等を行うため、支出を予定している。
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