研究実績の概要 |
申請者らがデータベースを構築した通所リハビリテーションのコホート集団より,要支援・要介護高齢者のサルコペニアに関連する因子を探索した.その結果,サルコペニアとペットボトルのふたを開けられないことは関連し,その握力のカットオフ値は17.7kgであった(Sawaya et al, Geriatr Gerontol Int 2022;22:682-684).また,経時的な呼吸筋力の変化はサルコペニアの重症度により異なり,重症サルコペニアよりもサルコペニアの方が呼気筋力が低下していた(Sawaya et al, Int J Environ Res Public Health 2022;19:11438).また,サルコペニアは頸部周径と関連し(Sato et al, Geriatr Nurs 2022;47:159-163),サルコペニアの新規発症には低栄養と細い下腿周囲長,改善には栄養状態良好・太い下腿周囲長・高い骨格筋量が関係していた(Sato et al, J Phys Ther Sci 2023;35:242-246).さらに,要支援・要介護高齢者のオステオサルコペニアの割合は43.3%であること(Shiba et al, J Phys Ther Sci 2022;34:341-346),生体電気インピーダンス分析法を用いて得られた値とメジャーによる手動測定で得られた上腕周囲長は互換性があることを見出した(Sato et al, Geriatr Gerontol Int 2022;22:938-942). このように,2022年度は要支援・要介護高齢者のサルコペニアに関連する因子を同定した.
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