研究課題/領域番号 |
22K17559
|
研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
近藤 絵美 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (70897975)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 応答性 / メタ統合 / エスノグラフィー / 急性期病棟 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者への対応で困難な状況が多く報告されている急性期病棟に焦点を絞り、高齢者と看護師の『応答性』を明らかにし、その『応答性』の観点からケアプロセスを解明することである。本研究は、研究1:『応答性』の観点からみた急性期病棟における高齢者と看護師の看護実践についての文献検討(2022年度)、研究2:『応答性』のフィールド調査(2023~2024年度)の2段階で構成されている。 本研究の中心概念である『応答性』は、看護実践のなかに内在しているものの今まで明らかにされていない概念である。そのため、新たな、かつ拡大された理解を導き出すメタ統合の手法を用いて、先行文献の結果にある急性期病棟における高齢者と看護師の看護実践を『応答性』の観点からとらえ直した。2023年度は、メタ統合の結果を第43回日本看護科学学会にて示説発表した。また、結果の妥当性を老人看護専門看護師と質的研究の研究者とともに検討し、修正を加えたものを学会誌に投稿中である。 また、メタ統合の結果から、急性期病棟における高齢者と看護師の『応答性』は、状況依存的な特徴があること、看護実践場面での『応答性』がどのように成り立っているのかを理解する必要があることから、研究者が実践の場に身を置いて看護実践場面を参加観察するエスノグラフィーを用いる必要があると考えた。そこで、2023年度はフィールド調査の方法、研究アプローチ方法について再検討し、参加観察、ならびにインタビュー調査方法の立案、倫理審査申請、フィールドとなる病院の選定と協力依頼を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、研究2:『応答性』のフィールド調査に進み、2023~2024年度の2年をかけて複数施設でのフィールド調査を予定していた。しかし、2023年度はフィールド調査の方法、研究アプローチ方法について再検討することとし、2024年度からフィールド調査を実施できる体制を整えることができた。そのため「やや遅れている」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
フィールド調査にてデータ収集を行いながら、並行して分析を進める。また、別施設での倫理審査の準備を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2023年度からフィールド調査を実施する予定であったが、2023年度は研究方法の見直しとフィールド調査のための倫理審査申請・準備を行い、2024年度からフィールド調査を行う体制を整えた。2023年度に使用する予定であった経費については2024年度に繰り越し、フィールド調査のための交通費、消耗品の購入、研究参加者への謝礼に充てる計画である。
|