研究課題/領域番号 |
22K17566
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐賀里 昭 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (70782415)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自動車運転 / 視線 / 半側空間無視 |
研究実績の概要 |
研究代表者は自動車運転認知行動評価装置(特許第5366248号)を用いた模擬運転テストの開発を進めている.この模擬運転テストでは,ハンドル・ブレーキ等の操作反応に加え,手掌部発汗反応と皮膚電位反射,前頭前野の脳血流動態を測定することで運転に関わる危険認知能力を評価することができるが,半側空間無視の運転適正評価に必要となる視線計測装置は装備されていない.そこで本研究では,視線動作を計測パラメータに加えた模擬運転テストを開発し,半側空間無視を呈した脳卒中・脳外傷者の運転再開可否を判定する客観的指標を作成しているところである.2022年度は,「自動車運転認知行動評価装置」に視線計測装置を搭載させ,模擬運転テストを実施した.健常者を対象にデータを集積した結果,模擬運転時の被験者の危険対象への視線応答とブレーキ応答との時間に関連が認められた.我々の仮説通り,視線データと運転操作等のパラメータに関連が確認されたことで,視線計測が模擬運転テストの精度を高める一助となることが確認された.また,危険場面や危険予測場面において,特に視線情報が重要となる場面を厳選することができた.2023年度には右半球損傷者を対象に実験を実施することを予定しているが,健常者データの集積ができたことで,今後,各パラメータを健常者と右半球損傷者と比較することも可能となった.2023年度からは,万全の体制で,右半球損傷者を対象とした主要な研究へ臨むことができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍ではあったが,感染対策を講じることで確実に実験を遂行することができたため研究は順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,右半球損傷者を対象として視線計測付模擬運転テストを実施する.その際,視線データ,手掌部発汗反応,皮膚電位反射,前頭前野の脳血流動態,運転操作等の各計測データ(神経心理学的検査や運動能力検査を含む)を用い,Stroke Driver’s Screening Assessment Japanese Version(J-SDSA)の結果を外的基準とし,運転再開可否を判定する客観的指標を作成する.実験は,信州大学医学部附属病院のリハビリテーション部で行う予定としており,医倫理審査委員会の審査を受けているところである.研究代表者は,信州大学医学部保健学科に所属する傍らで,信州大学医学部附属病院の非常勤作業療法士として勤務しているため,研究協力者とは,連絡・調整等を日常的に取りやすい環境にある.これらのことから,今後の研究は円滑に遂行が可能な状況である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より旅費費用が少なかったため次年度使用額が生じた.これについては次年度の旅費等の費用として使用予定である.
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