研究課題
若手研究
本研究の目的は視覚性運動錯覚と運動観察が早期の運動学習を促進するかを球回し課題とfNIRSを用いて調査することであった。対象は健常成人とし、36名の対象者を錯覚群と運動観察群に分け、それぞれの条件は20分実施した。条件前後で球回し課題を実施し、球回し課題中の脳活動をfNIRSを用いて測定した。結果として、錯覚群は観察群と比較し、有意に球回し回数が改善し、運動学習に関連した脳活動が減少した。そのため、視覚性運動錯覚は早期の運動学習を促進することが明らかとなった。
リハビリテーション
視覚性運動錯覚は運動を実施せずに、自己が運動しているような視点で運動を観察することにより錯覚を誘発する方法である。運動を実施せずとも運動機能や脳活動を変化させ運動学習を促進できるため、運動を実施することが困難な脳卒中片麻痺患者や疼痛を有する患者のリハビリテーションに応用できる。