研究課題/領域番号 |
22K17581
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
瀧口 述弘 畿央大学, 健康科学部, 助教 (20873277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 疼痛病態分析 / 経皮的電気神経刺激 / 疼痛 / 鎮痛 |
研究実績の概要 |
疼痛病態分析を実施し、経皮的電気神経刺激の適応と最適な実施方法の検証をしている。経皮的電気神経刺激は、効果の個人差が大きく、設定する電気刺激パラメータによって効果が依存すると報告されている。先行研究では、対象者の約30%は経皮的電気神経刺激の効果を示さなかった報告があり、使用1ヶ月後に痛みが30%低下した対象者は44%であった報告もある。経皮的電気神経刺激が効果を示す対象者を明らかにすることで、効果の見込めない症例に対して不必要な介入を行わなくて済むと考えられる。疼痛病態分析は、疼痛の病態を特定することで、薬物療法等での治療効果の予測検証に使用されている。経皮的電気神経刺激に対しても、疼痛病態分析を行うことで、治療効果の予測検証に使用できる可能性がある。本研究における疼痛病態分析は、Reimer(Pain Rep. 2020)らが報告している簡易版定量的感覚検査法を用いて実施している。これは、様々な機械的刺激、熱、寒冷刺激を加え、その反応を捉えることで疼痛病態を比較的短時間で推測できる。脊髄損傷後の神経障害性疼痛が生じている症例に対して検証した所、表在感覚が低下していると、経皮的電気神経刺激の効果が少ないことが示唆された。また、脳卒中後の肩関節痛に対して検証した所、機械的刺激に対して疼痛が亢進している場合は、経皮的電気神経刺激で周波数を高く設定することで効果が高いことが示唆された。今後、運動学的検査や臨床的アウトカムも計測しながら検証を進め、論文投稿をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
疼痛病態分析や運動学的指標を捉える機器の購入が遅れたからである。
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今後の研究の推進方策 |
運動学的検査を含めて、検証をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
運動時痛を捉えるために計測する機器を新たに購入する必要が生じた。 5月頃に購入し、新たな検証をする予定である。
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