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2022 年度 実施状況報告書

頸部聴診法を用いた咽頭通過時における食塊形成の診断精度の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K17595
研究機関昭和大学

研究代表者

野末 真司  昭和大学, 歯学部, 講師 (10782956)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード最大振幅 / 平均振幅
研究実績の概要

超高齢社会となり、介護老人保健施設が増加傾向にある中で、利用者の食形態の誤った選択は誤嚥性肺炎や窒息を引き起こす危険性がある。現状、咽頭に流れてくる食塊の形状を観察するためには嚥下内視鏡検査を用いていたが、挿入時の苦痛と挿入されたまま食事を行うことは通常と異なる環境になっており、通常の食事場面とは異なってしまうため、正確な評価がされているかは不明である。また、内視鏡検査を行うことができるのは医師、歯科医師のみであり、機器を用いないといけないため、簡便な検査としては程遠いと考える。そこで注目した検査が頸部聴診である。臨床現場において頸部聴診を行う際に物性、量によって聴診音が全く異なることが経験される。そのため、聴診器より得られた聴診音を数値化し客観的な形で評価できれば、簡便かつ低コストで咽頭に流入する食塊の形状、量を判断することができると考えた。そこで、今回、健常成人に対し、嚥下内視鏡検査を行うと同時に頸部に聴診器を設置し、試料の嚥下を指示した。用いる試料は①ゼリー5g、②ゼリー10g、③ペースト食5g、④ペースト食10g、⑤ソフト食5g、⑥ソフト食10gとした。現在、研究は行っているが、被験者が思うようにそろっておらず、まだ分析までには至っていないが、ここから得られた嚥下時産生音の音響分析を行い、食塊の物性の違いによる嚥下時産生音の最大振幅、波形の長さ、平均振幅を明らかとする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究は行っているものの新型コロナウイルス感染症の影響で被験者が思うように集まらず、分析するまでのN数が集まっていない状態である。

今後の研究の推進方策

健常成人に対し、嚥下内視鏡検査と同時に頸部に聴診器を設置し、試料の嚥下を指示する。
現在行っている①ゼリー5g、②ゼリー10g、③ペースト食5g、④ペースト食10g、⑤ソフト食5g、⑥ソフト食10gを試料とし、記録を取り、物性および量により嚥下時産生音をデータ化し、解析をして客観的な評価を行うことを可能とする。さらに試料として①米飯5g、②米飯10gを用いる。①②の米飯は、咽頭通過時に食塊形態を観察しやすいように着色させた米飯で白米をサンドさせたものを用いる。被験者には10回咀嚼してから嚥下してもらうことと、20回咀嚼してから嚥下してもらう2つの条件を行わせる。それぞれの条件を5回ずつ施行する。ここから得られた嚥下時産生音の音響分析を行い、食塊の物性の違いによる嚥下時産生音の最大振幅、波形の長さ、平均振幅を明らかとする。この研究を行うことにより咀嚼によりどのくらい粉砕、混和されている食塊かを評価することが可能となり、嚥下時産生音がどのように異なるか明らかになると考える。

次年度使用額が生じた理由

研究は進めてはいるものの新型コロナウイルス感染症の影響で被験者が思うように集まっておらず、研究が遅れたため、次年度使用が生じた。次年度は、感染症法2類から5類に変更となり、規制も緩和されるため、実験が進むものと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 嚥下障害判定における嚥下前後に産生された意識下呼気音の周波数領域のカットオフ値の有効性に関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      野末真司、服部匠真、伊原良明、山本みなみ、髙橋浩二
    • 学会等名
      第36回日本口腔リハビリテーション学会学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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