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2023 年度 実施状況報告書

上肢リハビリテーション支援ロボットのアシスト量の定量化と課題難易度の関連性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K17600
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

内山 侑紀  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50725992)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードロボットリハビリテーション / 課題難易度 / 上肢 / アシスト
研究実績の概要

2023年度はさらに対象患者のリクルートを行い、回復期脳卒中患者に対して開発した上肢ロボットを使用した実証実験を行なった。対象患者は関西リハビリテーション病院に入院中の中枢神経疾患(脳卒中、脊髄損傷等)による上肢麻痺のある患者とし、除外基準は 1. 機能障害のある上肢の外傷や関節可動域制限等の理由により、上肢外骨格ロボットの装着が困難な者、2. 重度の認知症や高次脳機能障害、失語症により、研究目的の十分な理解が困難な者とした。説明と同意が得られた対象患者の麻痺側上肢に上肢ロボットを装着し、リーチ課題(肩関節および肘関節の屈曲伸展運動)において前上方のターゲットへの上肢リーチ課題およびボタンのタップ課題を実施した。肩関節の屈曲運動のアシスト量を10%ごとに変化させ(アシスト量は肘伸展位の重力成分で100%を定義)、関節角度(肩関節・肘関節))や関節トルク(肩関節、肘関節)や課題の達成時間を測定した。
対象患者5名に対して一連の実証実験を行い、上肢ロボットは問題なく作動し、安全性も十分であることが確認された。課題に与える上肢ロボットのアシスト量の影響としては、上肢麻痺が重度なほど上肢ロボットのアシスト量を多くすると課題の達成率や患者自身の主観的な達成感が増す一方、上肢麻痺が軽度なほど上肢ロボットのアシスト量が多いと課題の達成に時間を要することも散見された。これらのことから、上肢ロボットのアシスト量と上肢機能障害の重症度および課題の達成率や患者自身の主観的な達成感に影響を与えることが示唆された。さらに症例を集積してこれらの関係性を解明する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対象患者のリクルートは徐々に進んでいるが、開発中の上肢ロボットが右上肢用のみの仕様のため、対象患者の選択に制限が生じているため。

今後の研究の推進方策

引き続き対象患者のリクルートとデータ収集を継続するが、収集されたデータから、上肢機能障害の重症度(各種上肢機能評価項目により分類)や上肢ロボットのアシスト量との相関関係を解析する。現状の問題点として、開発中の上肢ロボットが右上肢用の仕様のため、対象患者の選択に制限が生じている。今後は研究協力機関である株式会社国際電気通信基礎技術研究所と連携して左上肢にも適用可能な上肢ロボットの開発を検討している。

次年度使用額が生じた理由

当初物品費として購入した表面筋電計の価格が当初の見積もりを下回り、差額が生じた。次年度に消耗品の購入や開発中の上肢ロボットのアップデートに使用する計画であり、研究遂行には問題は生じていない。

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公開日: 2024-12-25  

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