研究課題/領域番号 |
22K17609
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研究機関 | 福岡国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
松田 大輝 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 助教 (00934423)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 運動イメージトレーニング / 運動観察 / 没入型VR / 経頭蓋磁器刺激装置 / 皮質脊髄路興奮性 |
研究実績の概要 |
脳卒中など四肢の運動障害に対しての運動療法を補完する介入方法の一つに運動イメージトレーニング(Motor Imagery Training;MIT) がある.MITとは運動課題の遂行能力を改善させる目的で運動イメージ(Motor Imagery;MI)を持続的に反復させることであり,対象者が課題映像を観察(Action Observation : AO)しながらMIすることでその効果をより高めることが報告されている. 効果的なMITを実践するためには,対象者がどの程度鮮明な状態でMIを行うかが重要とされている一方,これまで行われているMI+AOの研究はモニターを用いたものであり近年注目されている没入型Virtual Reality (VR)を用いたより現実に近い環境での映像提示によるMI+AOに対する効果に関しては未だ不明である. そこで,本研究課題ではモニターによるMI+AOとVR機器による映像提示を用いたMI+AOの皮質脊髄路の興奮性に与える影響を検証し,VR機器を用いたMI+AOの効果について検証することを目的とする. 本年度は,このVR機器を用いた映像提示のプログラムの開発を主に行った.方法は,ヘッドアップディスプレイにMeta Quest 2(Meta社)を採用し,Unity(Unity tchnology社)を使用してプログラミングした.今年度の成果として,3Dカメラで撮影した動画を没入型のVR環境下において映像提示する初期プログラムが完成した.今後は皮質脊髄路の興奮性を計測することを考慮して,複数の課題に対応できるプログラムを追加したうえで,映像提示中の任意のタイミングで経頭蓋磁器刺激による皮質脊髄路の興奮性を計測できるよう開発を進めていき,両群での皮質脊髄路の興奮性変化の検証実験に移行する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により,プログラム開発を担当している藤村准教授との対面打ち合わせが制限されたため,没入型VRを用いた新しい運動イメージトレーニングプログラム開発が当初計画よりやや遅延している. また,当初計画では,運動イメージ課題としてボールローテーションタスクのみを採用する予定としていたが,藤村准教授との協議の結果,複数の課題に対応できる映像提示プログラムへと変更したことが挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響も徐々に収まりつつあるため,今後はやや遅延しているプログラム開発を推進するために,対面やオンラインミーティングの回数を増やすとともに,早急に検証実験に移ることができるよう調整を行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により,初年度の計画がやや遅延したとともに,成果発表や資料収集旅費などが消化できなかった.未消化分については,実験に必要なMeta Quest 2の増台や,延期となった旅費に充てる予定である.
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