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2022 年度 実施状況報告書

聴覚情報処理能力改善を目的とした聴覚イメージを用いた新たな聴覚トレーニングの確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K17620
研究機関福井医療大学

研究代表者

岡本 一宏  福井医療大学, 保健医療学部, 助教 (70910933)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード聴覚イメージ / 聴覚情報処理 / 刺激先行陰性電位
研究実績の概要

聴覚情報処理障害(auditory processing disorder: APD)は, 純音聴力検査の結果が正常であるにも関わらず, 雑音下聴取等の条件において困難さを示すものである. 現在はListening Difficulties(LiD)と呼ばれる場合もある.LiDの問題の中でも, 雑音下聴取の困難さは多くにみられる問題であり, コミュニケーションに支障をきたしやすい. 雑音下聴取等の劣化した音声情報を脳が修復する過程で, 聴覚イメージが関与している可能性がある.本研究の目的は聴覚イメージ能力の低下が聴覚情報処理能力へ及ぼす影響を聴覚情報処理検査の雑音下聴取検査や事象関連電位との関係性から検証する. 現時点で,予定していた健聴成人のデータ収集を完了した.それらのデータから雑音下聴取検査の成績と聴覚イメージ能力の関係についての解析を行ったところ,Bucknell Auditory Imagery Scaleにより測定した聴覚イメージ能力が低下している被験者は、雑音下聴取検査(SN比-5dB)の成績が低下していることが明らかとなった.また,雑音下聴取検査の成績が低下している被験者では,雑音環境下における聴覚的時間予測課題で測定した刺激先行陰性電位(Stimulus-Preceding Negativity: SPN)の振幅が低下していることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度には聴覚情報処理検査,聴覚イメージの評価,脳波測定,論文調査を行い,聴覚イメージ能力と聴覚情報処理能力の関連についての検討を行った.この結果から,雑音下の語音聴取能力と聴覚イメージ能力の関連が明らかとなった.

今後の研究の推進方策

a) 事象関連電位と聴覚情報処理能力の関連性の検討
多チャンネル脳波計を用いて雑音環境下時間予測課題中の事象関連電位(刺激先行陰性電位)を測定し,聴覚情報処理検査の結果,聴覚イメージ能力との関連を検討する.
b) ニューロフィードバックを用いた聴覚イメージトレーニング方法の開発
事象関連電位と聴覚情報処理能力の関連性の検討で得られた結果に基づいて,聴覚情報処理能力の改善を目的としたニューロフィードバックトレーニングの試作を行う.

次年度使用額が生じた理由

2022年度中に追加でデータ測定を行う予定であった2名の被験者の実験スケジュールが延期となったため,謝礼金として支払う予定であった経費の未払いにより次年度使用額が生じた.この2名の被験者については2023年度に実験を行う予定であり,謝礼金として次年度使用額分を支出する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 雑音環境における音声知覚と刺激先行陰性電位(SPN)の関係2023

    • 著者名/発表者名
      岡本一宏, 保屋野健悟, 小林康孝
    • 学会等名
      第24回日本言語聴覚学会

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公開日: 2023-12-25  

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