研究課題/領域番号 |
22K17636
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研究機関 | 令和健康科学大学 |
研究代表者 |
岡 真一郎 令和健康科学大学, リハビリテーション学部, 講師 (30637880)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | トレッドミル歩行 / 立位姿勢制御 / 方向転換 / 感覚再重みづけ調整 / 股関節外旋等尺性筋力 / 8の字歩行 |
研究実績の概要 |
本研究は、転倒が起こりやすい方向転換動作を円滑に遂行できるようにするためのニューロリハビリテーションプログラムを開発することを目的としている。 2023年度は方向転換時に生じる姿勢制御の感覚再重み付調整(Sensory Rewighting:SR)のモデル実験として、トレッドミル歩行後に開眼時のみ前後方向への身体動揺を発生させるSRモデルの作成方法を確立した。さらに、トレッドミル歩行後の身体動揺には頭頂葉の振動現象が影響していること明らかにした。これらの内容について論文を執筆し投稿準備中である。 また、方向転換という動作そのものを構成する要因として、運動の変化による脳内感覚情報処理だけでなはなく下肢の運動機能が挙げられる。そのため、方向転換動作を円滑にするニューロリハビリテーションプログラムの開発に先立ち、歩行と方向転換動作を行う8の字歩行(Figure eight walking test:F8W)を用い、股関節周囲筋の等尺性筋力との関連を検討した。対象は健常成人20名40脚とし、左右の股関節屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋の等尺性筋力と、F8Wの時間(F8W-time)と歩数(F8W-steps)を測定し歩行率(F8W-rate)を算出し、F8Wの各変数を従属変数、股関節筋力を独立変数とした重回帰分析を行った。その結果、F8Wの時間と歩行率(F8W-rate)が股関節外旋筋力と関連していることが分かった(S.oka, 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
方向転換を構成する要因について、運動系である股関節周囲筋力の関連性についての検討を追加したため、当初の予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、準備を進めている論文を投稿し、トレッドミル歩行後の身体動揺を誘発するSensory Weightingモデルのエビデンスを確立する。また、トレッドミル歩行後のSRモデルが方向転換のパフォーマンスに与える影響をトレッドミル歩行後のF8Wで検討した後、身体動揺を抑制するためのニューロリハビリテーションの開発に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
方向転換に関する運動機能の関連の検討を追加したことで研究が遅延したことで、被験者への謝金が支出されなかったこと、論文投稿がなされなかったことで次年度使用額が発生している。本年度は、論文の投稿による英文校正と掲載料、トレッドミル歩行後のF8Wの影響、トレッドミル歩行後のニューロリハビリテーションプログラム開発のための謝金および関連学会での発表および情報収集としての使用を計画している。
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