研究課題/領域番号 |
22K17646
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
梅原 拓也 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (00880593)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 心不全 / 最大下筋力 / 制御不良 / 多チャンネル表面筋電図 |
研究実績の概要 |
本研究の目的の1つとしては、心不全患者が健常高齢者より最大下筋力の制御不良が生じているかどうかを定量的に評価することであった。 対象者は、健常高齢者と入院治療を要した心不全患者とした。健常高齢者は、疾患を有していないかつ心不全患者と同年代とした。対象者は、歩行が可能で日常生活動作が自立している者を対象とした。ハンドヘルドダイナモメーターを用いて等尺性膝関節伸展筋力の最大随意筋力(MVC)を測定した。要求する運動課題は、20%、40%、60%のMVCでの台形課題を行わせた。台形課題における対象者が行った運動課題との差異を算出した(数値が大きくなるほど要求した運動課題から離れている)。測定時期は、健常高齢者が高齢者サロンに参加時、心不全患者が退院時とした。統計解析は、運動課題要因と群間要因(心不全と健常高齢者)で二元配置分散分析を行った。 運動課題の差異は、20%課題で心不全患者が3.7±2.3、健常高齢者が2.3±1.1、40%課題で心不全患者が4.2±2.9、健常高齢者が3.7±2.2、60%課題で心不全患者が4.1±2.0、健常高齢者が5.5±2.1であった。二元配置分散分析の結果、運動課題要因と群間要因で有意な主効果がなかった。ただ、本研究は、心不全患者と健常高齢者の対象者が予定人数より少ないため、引き続き、測定を行う。そして、心不全患者は、健常高齢者より骨格筋量、筋力や筋質低下があり、これらと多チャンネル表面筋電図を含めて最大下筋力の制御不良の関連を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多チャンネル表面筋電図の故障と新型コロナウィルス感染症の拡大により、データ計測に遅れが生じている。現在、機器の故障から回復と新型コロナウィルス感染症の制限の緩和により測定が再開している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、2)最大下筋力の制御不良は筋活動パターンの変化と関連するのかどうか、多チャンネル表面筋電図を用いて検証する。3)心臓リハビリテーションにより、心不全患者の筋力の制御不良や筋活動パターンが改善するかどうかを検証する、予定である。また、得られた研究成果を学会や論文で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
多チャンネル表面筋電図の故障が多発して業者と相談し2022年度での購入を見送った。その理由として、今年度、後継機がでるため、そちらの購入をする予定である。
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