研究課題/領域番号 |
22K17660
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石川 愛子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10348774)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 末梢性磁気刺激 / 慢性腰痛 |
研究実績の概要 |
反復末梢性磁気刺激(repetitive peripheral nerve magnetic stimulation: rPMS)は非侵襲的・無痛で,深部神経・筋に対しても,衣類の上からでも刺激が可能であるなどの長所があり,疼痛患者が受け入れ易く,これからの疼痛診療の一手段として期待される.しかし,慢性腰痛に関するrPMSの有効性に関するエビデンスは未だ不足している.そのため本研究は、近年疼痛への治療効果が報告されている(Beaulieu LD et al., 2015, Neurophysiol Clin)手法であるrPMSの慢性腰痛への有効性を明らかにすることを目的に計画した. 本研究は試験機器として使用する磁気刺激装置が,検査機器承認はあるが治療機器承認がなされておらず,適応外使用としての研究となるため特定臨床研究として臨床研究審査委員会への申請が必要であった.本学で特定臨床研究として本研究を実施するため臨床研究審査委員会への申請および審査を受けるための各段階の事前レビュー対応に長期間を要したが,一旦準備を進めた研究プロトコルに対して,研究実施の意義と実現可能性を再検討する必要が生じ,再度プロトコル作成からやり直し,計画変更とその実施へ向けた準備をした. プロトコルは,ランダム化並行群間比較試験として,慢性腰痛患者38名を対象に介入群に1回20分,週2回8週間,合計16回のrPMSを腰部に実施する.また,両群に自宅で行う運動療法を指導する.主要評価項目としては,腰痛のVisual analogue scale (VAS)を,副次評価項目としては,腰椎画像所見(MRI),知覚・痛覚定量分析(Pain Vision TM), 立位・座位重心動揺軌跡(重心動揺計),体重・体組成(体組成計),関連各種質問紙調査を行う.準備が整い次第研究登録を開始する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
先行研究をもとに研究計画を立てたが,試験機器とした磁気刺激装置は検査機器承認はあるが治療機器承認がなされておらず,適応外使用としての研究となるため特定臨床研究として臨床研究審査委員会への申請が必要であった. 特定臨床研究の審査は通常の倫理委員会審査よりも過程が多く,申請後各段階のレビューに長時間を要した.また、多数の指摘を受け,研究デザインをはじめ当初の研究計画の変更が必要であったが,そもそも計画段階で特定臨床研究に相当することに関する認識がなかったため審査期間の想定がなく,計画に比して実際の進捗が遅れてしまった.しかしながら、令和4年度に準備を進めた研究プロトコルに対して,研究者の未熟さから研究実施の意義と研究の実現可能性を再検討する必要が生じ,令和5年度,さらに研究デザインの練り直しと修正が必要となった.そのため,プロトコル作成からやり直し,計画変更とその実施へ向けた準備をした.これらの研究準備に時間を要し進捗は当初の計画から遅れてしまっている.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画をさらに修正したため当初の計画と変更が生じている. 研究実績の概要欄に記述したとおり,プロトコルとしては以下の通りとなる.ランダム化並行群間比較試験として,慢性腰痛患者38名(介入群19名,対照群19名)を対象に介入群に1回20分,週2回8週間,合計16回のrPMSを腰部に実施する.磁気刺激装置Talent Pro, REMEDJAPAN 株式会社を用いることとする.また、介入群・対照群の双方で、ベースに自宅で行う運動療法を指導する.主要評価項目としては,腰痛のVisual analogue scale (VAS)を,副次評価項目としては,腰椎画像所見(MRI),知覚・痛覚定量分析(Pain Vision TM), 立位・座位重心動揺軌跡(重心動揺計),体重・体組成(体組成計),関連各種質問紙調査を行う.研究の実施承認が得られ次第,症例登録を開始する.
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次年度使用額が生じた理由 |
先行研究をもとに研究計画を立てたが,試験機器とした磁気刺激装置rPMS装置は検査機器承認はあるが治療機器承認がなされておらず,適応外使用としての研究となるため特定臨床研究として臨床研究審査委員会への申請が必要であった. 特定臨床研究の審査は通常の倫理委員会審査よりも過程が多く,申請後各段階のレビューに長時間を要した.また、多数の指摘を受け,研究デザインをはじめ当初の研究計画の変更が必要であったが,そもそも計画段階で特定臨床研究に相当することに関する認識がなかったため,計画に比して実際の進捗が遅れてしまった.さらには,一旦準備を進めた研究プロトコルに対して,研究実施の意義と研究の実現可能性を再検討する必要が生じ,再度研究デザインの練り直しと修正が必要となり,そのため,プロトコル作成からやり直し,計画変更とその実施へ向けた準備をした. 研究者の未熟さから,研究準備に想定外の時間がかかり,研究遂行が遅れているため次年度使用額が生じた.研究プロトコルを当初と変更しており,修正後のプロトコルに準じて,必要物品を購入するため計画の変更が生じる予定である.
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