研究課題/領域番号 |
22K17697
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
佐藤 文音 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 講師 (80837659)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 介護予防 / 認知機能 / 運動 / ダンス / 創作 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は「自分で動きを創り出す『創作ダンス』を実践する事で、高齢者の認知機能にどのような影響が生じるか」という学術的問いを解明する事である。複数の先行研究において、運動やダンスの実践は高齢者の認知機能を向上させると報告されている。しかし、これまでの研究の多くは、研究者が決めた特定の運動、ダンスを対象者に実践させており、対象者自身が動きを考えて実践する「創造性」に焦点を当てた報告は限られている。創造的に踊る場合と、予め決められた動きで踊る場合とで、高齢者の認知機能への影響に違いが生じるか否かについても不明点が多く残っている。そこで本研究では2つの課題を設定し、これらに関わる介入研究を実施する事で、実践者が自ら動きを創り出す創作ダンスの①認知機能への一過性の影響、②長期・継続的に実践した場合の影響を明らかにする。 2023年度は、本研究において設定した課題のうち、課題1(1回の創作ダンスの実践が高齢者の認知機能に与える影響の検証)に関わる介入研究を実施した。高齢者12名を対象として、創作ダンス(自分で動きを創り出すダンス)、エアロビックダンス(予め決められた動きで踊るダンス)、安静状態(座位での安静状態)の3つの介入を行い、各介入の前後に認知機能の検査(Stroop test)や質問紙調査等を実施した。2023年8月までに課題1に関する全ての調査、データ収集が完了し、その後はデータの整理、解析を進め、成果発表に向けた作業を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、課題1の介入研究、データ収集を2022年度に実施する予定であったが、新型コロナウィルスの感染者数が増加した事から研究を延期し、2023年度に実施した。そのため、現在までの進捗状況を「やや遅れている」と判断している。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度に収集したデータの解析を進め、海外の学術誌に投稿する。また、課題2(創作ダンスの長期・継続的な実践が高齢者の認知機能に与える影響の検証)の実施に向けて、早急に準備を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響から当初の計画通りに介入研究を実施できていないため、経費についても計画通り使用できず、次年度使用額が生じた。今後は、2023年度の研究結果を海外の学術誌へ投稿するため、論文投稿費、英文校正費等に使用する予定である。また、課題2(長期・継続的な創作ダンスの実践による認知機能への効果検証)の介入研究を実施するため、必要な物品の購入費、人件費等に使用する。
|