研究課題/領域番号 |
22K17698
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
成田 健造 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 講師 (70836999)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 水泳 / 流体力学 / クロール泳 / 抵抗力 / コーチング |
研究実績の概要 |
本研究では、圧力抵抗の観点から、自己推進時抵抗(水泳中の泳者に働く抵抗力)に関連する水泳中の泳動作指標を開発する。そして、その動作指標と自己推進時抵抗の実測値との関係を、泳者間での横断的調査により「抵抗力の低い“泳者”の特徴」を、シーズンを通した泳者内での縦断的調査により「抵抗力の低い“時期”の特徴」を検討し、「水泳中の低抵抗技術」を探ることが本研究の目的である。 初年度の2022年度は、国際的に最も著名な自己推進時抵抗計測法である「MAD-system」と、3次元の泳動作を撮影する水中モーションキャプチャカメラを用いて、男子大学生競泳選手を対象に実験した。MAD-systemとは、水面下に一定間隔で設置された固定板を押して泳者は推進し、その固定板を押した力を張力計により計測することで泳者に働く自己推進時抵抗を計測する方法であり、各固定版を押した力はPC上に記録し、その力の平均値を分析に用いた。一方、水中モーションキャプチャカメラは計測範囲を囲むように配置し、泳者の身体代表点(手先や肩、大転子など)に貼付された反射マーカーから各身体部位の位置情報を収集した。その動作情報からリンクセグメントモデルを作成し、各セグメント(体節)の動作速度、姿勢を算出する。そして、それらを用いて圧力抵抗の視点に基づいた動作指標を導出する。 現在は、自己推進時抵抗の分析を終え、撮影した映像を分析している途中である。また、その本研究に関わることを、日本水泳・水中運動学会2022年次大会で口頭発表し、その将来性やオリジナリティが高く評価された(発表奨励賞を受賞)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験をして、データを収集することができたことは初年度の大きな収穫である。しかし、撮影したデータの分析作業について、水中で行われる水泳の特性も関係し、予想以上に時間を要している。分析が終わり次第、抵抗データと動作データの関連を調査し、論文としてまとめていく。
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今後の研究の推進方策 |
現在、撮影データの分析作業を進めている。定期的に作業を実施して、着実に分析を進めている。そして、分析を終えた後、国際誌への論文投稿作業を進めていく。
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