研究課題/領域番号 |
22K17705
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
笹代 純平 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 専門職 (20758221)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳振盪 / 眼球運動 / パラスポーツ / アイトラッキング |
研究実績の概要 |
初年度として、本実験において健常アスリートおよび座位のパラアスリートの眼球運動を測定するために、研究体制の構築と測定プロトコル検討のためのミーティング、アイトラッカーの購入や研究倫理審査の申請等の準備に取り組んだ。 また所属機関が主催する、競技団体関係者、研究者、国内外スポーツ関係者を対象としたカンファレンスにおいて、パラアスリートの脳振盪対策の取り組みについて、先行研究のレビューと今後の研究の方向性についてシンポジストとして講演を行った。 次年度以降、本実験では、まずコントロール群である健常アスリートと座位のパラアスリートを対象に脳振盪評価ツール(Sport Concussion Assessment Tool 5;以下、SCAT 5)、Vestibular/Ocular-Motor Screening(以下、VOMS)、眼球運動に関する追加課題を測定する。これらの測定を初回測定ののち半年ごとに3回測定し、健常者とパラアスリートでのベースラインを比較していく。また測定期間内に対象者の中で脳振盪が発生した場合には、その対象者のみ1ヶ月ごとに脳振盪発生前の測定値に戻るまで追跡調査を実施し、眼球運動の測定がパラアスリートの脳振盪評価として有効であるかを検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究体制の構築等は当初の計画通り順調に進んだものの、昨今の社会情勢を受け、当初購入予定であった機器の値上がり等で予算上購入不可となった。再度機器の選定を行ったが、原材料不足等の影響もありアイトラッカーの発注から納品までに想定以上に期間を要したため、初年度は実際のデータ収集まで進むことができなかった。その結果として、進捗は予定よりもやや遅れている状況である。現在、眼球運動について安定したデータを取得できるよう研究協力者とともに予備的な測定に取り組んでおり、次年度はまず健常なアスリートを対象とした測定を行うとともに、これらの基礎データを国内の学術大会や学術誌にて発表していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
まずコントロール群である健常者を対象に初回の測定を実施する。目標は男女計15名程度である。測定内容はSCAT 5、VOMS、眼球運動に関する追加課題とする。これらの測定を初回測定ののち半年ごとに3回測定し、ベースラインを定めていく。また同時進行にて、座位のパラアスリート(目標男女計15名)での測定を合わせて実施していく。測定期間内に対象者の中で脳振盪が発生した場合には、その対象者のみ1ヶ月ごとに脳振盪発生前の測定値に戻るまで追跡調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
非接触型眼球運動測定装置の調達に期間を要したため、実際の測定が行えておらず旅費や人件費に余剰が生じた。次年度は初年度に行えなかった分の測定も開始する予定のため、この余剰分を活用する方針である。
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