研究課題/領域番号 |
22K17755
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研究機関 | 日本保健医療大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕司 日本保健医療大学, 保健医療学部理学療法学科, 助手 (70869601)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 足部横アーチ / 足部横アーチ高測定装置 / 足趾・踵荷重起立台 / 低アーチ足 / 扁平足 |
研究実績の概要 |
扁平足や開帳足には足部アーチの低下がその原因の1つと考えられ、特に内側縦アーチの重要性を報告した先行研究は多い。しかしながら、足部横アーチの役割に関する報告は少なく、その評価方法も統一されていない。足部アーチの評価ではフットプリントを使用した評価が広く行われてきた。フットプリントによる評価の限界は、測定する筋肉や脂肪といった軟部組織による影響を受けて、信憑性に欠けてしまうことである。研究代表者は、その問題点を解決するために、足部横アーチを定量的に評価できる評価装置を独自に開発し、その測定方法を提示した。合わせて、立位姿勢で行う独自の足趾トレーニングとして、足趾と踵で体重を受ける状態で立位姿勢を保持する、足趾・踵荷重起立台の有用性を明らかにした。これまでの研究対象者は、正常アーチ足で検討してきたが、低アーチ足によるトレーニング効果の違いや足部横アーチ高の測定方法の信頼性と妥当性は検討できていない。本研究課題では、この低アーチ足による効果の違いを調べるために、(1)低アーチ足における足部横アーチ高の定量化、(2)新たな足部内在筋強化トレーニングを分析することを研究目的としている。本年度は、低アーチ足に対して、独自に開発した足部横アーチ高測定装置を用いた測定方法について、至適な条件を検討しているところである。次年度は、低アーチ足による足部横アーチ高の測定方法の信頼性と妥当性の解析を行い、低アーチ足に対するトレーニングの介入が足部形態や足趾把握力などの変化にどのように影響するかを分析する予定である。また、独自に開発した足部横アーチ高測定装置を用いて、トレーニング効果の違いで得られた結果の検証を行うための準備を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、低アーチ足に対して、独自に開発した足部横アーチ高測定装置を用いた測定方法について、至適な条件を検討しているところである。現在、低アーチ足における足部横アーチ高の定量化や新たな足部内在筋強化トレーニングを分析しているところである。これまで、正常アーチ足に対して、独自に開発した足部横アーチ高測定装置を用いた方法で足部横アーチ高を測定し、その測定方法の信頼性と測定回数を検討した。得られた結果、足部横アーチ高を用いた測定方法は、同一検査者が1回測定する方が信頼性は保証されると示していた。現在までのところ、当初計画していた2年目の研究内容についてはほぼ予定通り実施できている。このため、研究はおおむね順調に進展していると評価した。次年度は、本年度行った至適な条件を検討して、低アーチ足における足部横アーチ高の定量化や、新たな足部内在筋強化トレーニングを分析するなどして、さらに研究を深化させていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本研究課題の3年目にあたる。当初計画した通り、低アーチ足における足部横アーチ高の定量化や、新たな足部内在筋強化トレーニングを既存の足趾トレーニングと比較し検討する。今後、得られたデータの結果を学会発表や、論文にまとめて投稿することを目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在、低アーチ足に対して、独自に開発した足部横アーチ高測定装置を用いた測定方法について、至適な条件を検討しているところである。現時点では、ほぼ当初の研究計画通り進捗している。ただ、すべてのデータ計測は完了せず、次年度以降も継続する予定である。すべてのデータ計測を終了した後に、計測した結果を分析する計画である。このような理由から、この分析に要する必要の一部は本年度中に計上しなかったため、次年度に使用額が生じた。次年度はこの分析に必要な物品や、学会発表および論文投稿費用も含めて、研究課題をまとめるために研究費を使用する計画である。
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