研究課題/領域番号 |
22K17760
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
加納 裕久 中京大学, スポーツ科学部, 助教(テニュア) (00808579)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 幼児 / コオーディネーション能力 / 定位能力・分化能力 / 運動遊び習慣 / 生活習慣 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、幼児期3年間の運動能力の追跡調査を実施し、コオーディネーション能力の発達に 1)直接的に影響を及ぼすと考えられるエネルギー系の運動能力の発達や子どもの運動・遊び習慣との関係性を明らかにすること、2)間接的に影響を及ぼすと考えられる子どもの生活習慣や保護者の運動嗜好との関係性を明らかにすることを目的とする。令和5年度は、追跡調査の2年目として、年中児273名を対象にコオーディネーション能力テスト(以下CaT)及び体力・運動能力測定の計16項目を実施した。また、対象の保護者にアンケート調査を実施した。これらの成果は、主に学会発表及び論文として成果発表を行った。第1に、「年少児の投・跳動作における定位能力・分化能力の発達と運動遊び習慣との関連」として、学会誌に論文が掲載された。本研究では、年少児の投・跳動作に着目し、エネルギー系の体力・運動能力に加えて、定位能力及び分化能力の発達に影響を及ぼす関連要因として運動遊び習慣を採り上げ、これらの関係を明らかにすることを目的とした。その結果、運動遊び時間や頻度を一定程度確保することがエネルギー系の体力・運動能力に有益であること、また、屋外での運動遊びやボール遊び、3歳までの運動遊び習慣が神経系の定位能力・分化能力に有益であることが示唆された。第2に、「幼児を対象にしたコオーディネーション能力の測定評価」と題して、学会において発表・講演を行った。コオーディネーション能力の中でも、全体構造の中核をなす重要な能力として位置づけられている定位能力(時空間を把握する能力)と分化能力(筋出力を調整する能力)の測定方法を中心に、測定器具を用いて、移動標的に対する空間移動課題(跳動作)や垂直標的に対する的当て課題(投動作)など一部を体験的に紹介し、参加者との意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、当初の計画通り対象園の協力のもとCaT及び体力・運動能力測定及び対象児の保護者へのアンケート調査を実施した。測定内容は、エネルギー系の体力・運動能力テスト7項目(体力要素:握力、反復横跳び、体支持持続時間、長座体前屈/運動能力要素:立ち幅跳び、テニスボール投げ、往復走)、神経系のCaT9項目(的当て、振り子式的当て、ライプツィヒ的当て、跳び箱ターゲットジャンプ、障害物ターゲットジャンプ、MTJテスト、ジグザグ走、片足バランス、平均台歩行)の計16項目のテストを実施した。2年目のデータ整理は概ね完了し、個票の返却、園長会での研究報告を行った。現在はデータ分析や学会発表、論文執筆の準備を進めている。 令和6年度についても、3年間の追跡調査の最終年として年長児を対象に、測定を実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に引き続き、令和6年度においても対象園の協力のもと令和4・5年度と同一参加児を対象に(年長児)、CaT及び体力・運動能力測定および対象児の保護者へのアンケート調査を実施する。年度前半で測定を完了し、後半はデータ整理、分析を行い学会発表、論文執筆を行っていく予定である。調査結果の分析については、a)3~5歳児にかけてのコオーディネーション能力とエネルギー系の運動能力の発達の変化量を算出し、年齢間及び性別の観点から分析する。b)5歳児のコオーディネーション能力とエネルギー系の運動能力の関係性を分析する。c)質問紙調査から、コオーディネーション能力の発達に影響していた関連要因に3~5歳児で変化が表れるか分析する。d)3歳児における各運動能力の能力差が5歳児までの3年間でどのように変化するか分析する。 これらを踏まえ、3年間の縦断研究により、3~5歳児にかけてコオーディネーション能力がエネルギー系の運動能力との関係の中でどのように発達していくのか、コオーディネーション能力の発達に影響を及ぼす様々な関連要因を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた状況として、予定していた学会に参加できなくなったため、その分の旅費が必要なくなったことが理由として挙げられる。また、前年度に比べ人件費を抑えることができたため、今年度は測定器具の補充や英文誌の成果報告等を予定している。その他の使用計画については、概ね当初の計画通りである。
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