研究課題/領域番号 |
22K17761
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
鳥取 伸彬 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (80875948)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子ども / 休暇 / 身体活動 / 座位行動 / 加速度計 / 傾斜計 |
研究実績の概要 |
夏季休暇期間は身体活動量・座位行動、睡眠の時間が変化し、体重の増加および体力の低下を引き起こし、肥満や低体力を助長することが危惧されている。しかし、これら生活時間の変化を規定する因子や食習慣を含めて総合的に検討したものはない。そこで本研究の目的は、夏季休暇における生活変化の規定因子と児童の健康アウトカムに与える影響を解明することとした。本成果により、長期休暇による健康アウトカムの変化を予防・低減する方策の基礎的知見となり、現代の児童生徒の健やかな成長に貢献することができる。これまでの研究から、傾斜計により身体活動量だけでなく座位行動時間の評価および姿勢について推定できることがわかった。そこで、本年度は児童に7日間連続して傾斜計を装着してもらい身体活動・座位行動の評価を行った。その結果、1日あたり60分以上の中強度身体活動を行っているものは25%であり、休日の方が平日と比べて達成者数が少なかった。また、座位行動時間も休日の方が平日と比べて長かった。現在も対象数を追加するため調査を継続している。 さらに、傾斜計の利用と並行して、手首装着型ウェアラブルデバイスの心拍センサーによる身体活動量評価の妥当性検討を進めた。その結果、呼気ガス分析より算出した運動強度(METs)との一致度は低かったが、中高強度身体活動時間の予測能は十分であることが示された。そのため、細かな身体活動強度を推定することはできないが、世界保健機関等の定めるガイドライン推奨量の達成度を評価することは可能であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は夏季休暇期間を利用した研究であるため年度初めに準備が必要となるが、所属機関の変更により当初予定していた調査対象の調整等の研究準備にやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象地域および評価方法を含めた実施準備は整っている。夏季休暇中に加速度計および傾斜計を利用してデータを取得して分析を進めていく。また、デバイスの妥当性についての解析は順調に進んでいるため、研究成果の公表を行なう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究計画からやや遅れたため残額が生じた。本額と翌年度分を合わせて、調査対象地域へ訪問してデータ取得を進めるとともに、学会発表や論文投稿を行なっていく予定である。
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